The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

この俺が、恋患い。

星の数ほどの女を手玉に取り、摘まみ食いしてはポイ捨てし。

ただふんぞり返っているだけで、いくらでも足元に美女がはべる、このルレイア・ティシェリーともあろう者が。

恋患い、とは!

いやいや、ルルシーは別だ。ルルシーに対してだけは、俺はいつでも恋する乙女だからな。

この俺が女相手に恋患いなんて、恐ろしい天変地異だ。

自分で言っときながら寒気がする。

けれどもルナニアとしては、それを堪えなくては。

「恋患いぃぃ…?」

これにはさすがのエルスキー達もぽかん。そりゃそうだ。

素で恥ずかしくなってきたぞ。

なんて純情な男子高校生だ。背筋がぞわっ、とする。

「えぇ!ルナニア誰が好きなの?」

「アシベル!声が大きい!」

べしっ、とミューリアに頭をはたかれるアシベル。

この男の無神経さは、アストラエア譲りだな。

「よく分かんないけど…つまり、その恋患いの為に、最近様子がおかしいのか」

「そんな感じなんです…。恥ずかしいから笑ってください…」

「いや…笑わないけどさ…」

机にぐでん、と突っ伏す。本当に自分何言ってるんだろう。作戦とはいえ。

これはルレイアとしてアリなのか?ルナニアだからセーフにしとくけど。

「だらしないわね、好きなら好きって言ってきなさいよ」

ミューリアはこの言いぐさ。全くその通りだとは思うが、そういう訳にもいかない。

少なくとも、今は。

「だって…。当たって砕けたら俺のハートがブレイクされてしまうじゃないですか…」

「案外OKもらえるんじゃないの?ルナニア、普通に良い奴だし」

「顔も良いしねー」

エルスキーとアシベルは呑気にそう言った。

確かに俺の顔は、年代問わずあらゆる女を虜にしてきたけれども。

「無理ですよ…。彼女、引く手数多なのに…」

「え。誰が好きなの?もしかしてハバナさん?」

「ぶはえ★&@※▲∝≪●★」

がんっ、と机に頭をぶつけた。ばれるのが早い。

まぁ、露骨に誘導したというのもあるのだが。

このクラスで引く手数多の女性と言えば、ミューリア以外には、彼女しかいない。

俺のその反応で、ルナニアが誰に恋をしているのか、一瞬でばれた。