帝国騎士団との会合の前日。
案の定、その日俺は、エルスキーに誘われた。
「ルナニア。明日学校に集まって勉強会しようぜ。ミューリアが先生してくれるって」
ほら、来た。
しかも、今回はミューリアまで引っ張り出してきやがった。
「あんたも赤点ギリでしょ?教えたげるわよ」
ミューリアも、この偉そうな口振り。
台詞だけ聞くと傲慢なことこの上ないが、彼女はただ、お姉さん風を吹かせているだけだ。少しも嫌味には聞こえなかった。
…全く。鬱陶しい人間共だ。
「済みません。明日はパスです」
俺はわざわざ申し訳なさそうな顔を作って、そう断った。
「え?何で?」
「歯医者の予約入ってるんですよ…」
「終わってから来ても良いぞ?」
ちっ。察しろよ馬鹿。お前らと会う余裕なんてないんだよ。
それでも、俺はにこやかに会話を続ける。
「結構中途半端な時間に予約入っちゃって…。しかも明日は休日だから、予約しててもかなり待たされるみたいなんです」
全て口から出任せだった。
予約してるのに待たされるなんておかしな話だ。
「えぇ…。何でそんな日に予約しちゃったの?」
「俺だって嫌だったんですよ…。でもその日しか空いてなくて。来週になると、もう試験期間に入っちゃいますし…」
「あぁ…それなら仕方ないわね」
よしよし。良い感じだ。
「そんなぁ。ルナニアがいなかったら、俺だけがミューリア先生にしごかれるじゃん」
俺が来ないと聞いて、アシベルは半泣きであった。
ざまぁ。
「丁度良いわ。ルナニアがいないぶん、アシベルをたっぷり絞ってやらなきゃ」
「ひぃーっ!ルナニア助けてくれ!」
「あはは…。済みません」
お前、一回しこたましごかれた方が良いんじゃない?馬鹿だから。
なんて思っていると。
「そんな情けない声を出すものじゃないよ、アシベル君。カルトヴェリア家の子息ともあろう者が」
アシベルと同じく貴族の出身であるティモニー・ファルム・グラディウスが、アシベルをたしなめた。
突如現れたティモニーに、アシベルは露骨に困った顔をしてエルスキーの後ろに隠れた。
「大体君は、おふざけが過ぎる。今回の試験は、今年度最後の定期試験なんだよ?もう少し真面目にやろうとは思わないの?」
「…はーい…ごめんなさい…」
「全く…」
呆れるティモニー。
俺からすれば、こいつもアシベルに負けないくらい馬鹿なのだが。
まぁ、アシベルのようにふざけたりしない辺り、アシベルよりはましだ。
貴族としてのプライドを捨てていないところも、好感が持てる。
ランドエルス騎士官学校なんて底辺校に来ている癖に、貴族のプライドなんて馬鹿じゃないの?とは思うけど。
形だけ笑ってみせながら、俺は内心でほくそ笑んだ。
何にせよ、これで障害はクリア。明日に望むばかりだ。
案の定、その日俺は、エルスキーに誘われた。
「ルナニア。明日学校に集まって勉強会しようぜ。ミューリアが先生してくれるって」
ほら、来た。
しかも、今回はミューリアまで引っ張り出してきやがった。
「あんたも赤点ギリでしょ?教えたげるわよ」
ミューリアも、この偉そうな口振り。
台詞だけ聞くと傲慢なことこの上ないが、彼女はただ、お姉さん風を吹かせているだけだ。少しも嫌味には聞こえなかった。
…全く。鬱陶しい人間共だ。
「済みません。明日はパスです」
俺はわざわざ申し訳なさそうな顔を作って、そう断った。
「え?何で?」
「歯医者の予約入ってるんですよ…」
「終わってから来ても良いぞ?」
ちっ。察しろよ馬鹿。お前らと会う余裕なんてないんだよ。
それでも、俺はにこやかに会話を続ける。
「結構中途半端な時間に予約入っちゃって…。しかも明日は休日だから、予約しててもかなり待たされるみたいなんです」
全て口から出任せだった。
予約してるのに待たされるなんておかしな話だ。
「えぇ…。何でそんな日に予約しちゃったの?」
「俺だって嫌だったんですよ…。でもその日しか空いてなくて。来週になると、もう試験期間に入っちゃいますし…」
「あぁ…それなら仕方ないわね」
よしよし。良い感じだ。
「そんなぁ。ルナニアがいなかったら、俺だけがミューリア先生にしごかれるじゃん」
俺が来ないと聞いて、アシベルは半泣きであった。
ざまぁ。
「丁度良いわ。ルナニアがいないぶん、アシベルをたっぷり絞ってやらなきゃ」
「ひぃーっ!ルナニア助けてくれ!」
「あはは…。済みません」
お前、一回しこたましごかれた方が良いんじゃない?馬鹿だから。
なんて思っていると。
「そんな情けない声を出すものじゃないよ、アシベル君。カルトヴェリア家の子息ともあろう者が」
アシベルと同じく貴族の出身であるティモニー・ファルム・グラディウスが、アシベルをたしなめた。
突如現れたティモニーに、アシベルは露骨に困った顔をしてエルスキーの後ろに隠れた。
「大体君は、おふざけが過ぎる。今回の試験は、今年度最後の定期試験なんだよ?もう少し真面目にやろうとは思わないの?」
「…はーい…ごめんなさい…」
「全く…」
呆れるティモニー。
俺からすれば、こいつもアシベルに負けないくらい馬鹿なのだが。
まぁ、アシベルのようにふざけたりしない辺り、アシベルよりはましだ。
貴族としてのプライドを捨てていないところも、好感が持てる。
ランドエルス騎士官学校なんて底辺校に来ている癖に、貴族のプライドなんて馬鹿じゃないの?とは思うけど。
形だけ笑ってみせながら、俺は内心でほくそ笑んだ。
何にせよ、これで障害はクリア。明日に望むばかりだ。


