The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

その日の放課後。

俺はエルスキーとアシベルに、帰りにカラオケに寄って、勉強して帰ろう、と誘われた。

ルルシーと行くなら楽しいが、こんな奴らとカラオケなんて、苦痛なだけだ。

それでも、断る訳にはいかなかった。

昨日の誘いも、その前の誘いも断っているのだから。

俺は内心で舌打ちしながらも、笑顔で了承した。

今は試験が間近だから、放課後の勉強会に誘われるのは仕方ない。

試験が終われば、かなりましになるのだが…。

仕方なく、俺は放課後に男三人でカラオケに行った。





「なーなー、知ってる?6組に凄い可愛い子がいるんだってさ」

シャーペンを動かしながら、アシベルがそんな話をし始めた。

「6組に?」

「そうそう。二人共、見たことある?」

「さぁ…見たことないですね」

「知らんな」

ランドエルスの学生になんて、興味はないからな。

しかもランドエルスは、その現代的な校風が若者に人気なのか、かなりのマンモス校である。

同じ学年でも、全く顔と名前を知らない生徒は多い。

スパイを見つけるのが困難なのは、こういう理由もあったりするのだ。

6組に可愛い子、ねぇ…。そんなに美少女なら、見てみたいかもしれない。

しかし、古今東西あらゆる美女を手篭めにしてきた俺は、求める美女のハードルは高いぞ。

少々の女だったら、うちの店にいくらでもいる。

「俺もちらっとしか見てないんだけどさぁ。あの子はヤバイ!ミューリアもめっちゃ美人だけど、ミューリアに並ぶくらいヤバイ!ちょっとミステリアスなのがまた良いんだよなぁ~」

アシベルはうっとりとしてそう言ったが、俺は内心落胆した。

ミューリアレベルなら、うちの店にゴロゴロいるじゃないか。

「へぇ…。そんなに美人なのか?名前は?」

「何だったっけ…。ちらっとしか聞いてない。ハイナだったか、ハルナだったか…」

「名前くらい覚えとけよ」

呆れたように言うエルスキー。

全くだ。アシベルのアホさと来たら、アストラエアに同情したくなるほどだな。

「試験終わったらクラス替えあるじゃん?一緒になれたら良いな~」

「その前に試験勉強に集中しろ」

「よーし!んじゃ景気付けに一曲歌うか!ルナニア!なんか入れてくれ!」

「良いですよ。じゃあ『ポテサラーズ』不朽の名曲、『もちっと☆チーポテっ』を」

「よし来た!」

「何だ、その選曲…」

エルスキーが呆れているのもスルーして、アシベルは『ポテサラーズ』を熱唱してくれた。

ちなみに、アシベルは耳を塞ぎたくなるほど音痴だった。

あぁ、つくづくルルシーが恋しい。