The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

「…そうですか」

どうやら…ある程度予測していたようだな。

「何か後ろ暗い仕事をしているんだとは思いましたけど…。あなた、結構な大物だったんですね」

「…そんなもんじゃない」

非合法組織の準幹部なんて、裏社会ではともかく、表社会では何ら誇るべき称号ではない。

「別に『青薔薇連合会』を恨んではいませんよ。別にあの土地に思い入れがあった訳でもありませんから」

「…」

「あなたが私を憐れんで助けてくれたのだとしたら、私を憐れむ必要はありません。私が今こんな境遇なのは、私自身が原因ですから」

「…どういう意味だ」

「…」

フューニャは答えず、俺のベッドから降り立った。

「抱いても良いですよ。私があなたにお返し出来るものは、こんなことしかありませんから」

「…要らない」

「どうしてそう拒まれるんです?…あぁ、既に意中の女性がいるんですか?」

「いないよ」

あの当時俺は、彼女なんていなかった。

今まで、彼女なんてものが出来たこともなかった。

「好きでもない女を抱く趣味はない」

「…まるで私が、好きでもない男に抱かれる趣味があるかのような言い方ですね」

「そんなつもりは…」

「分かってます。でも…私は、そうしないと生きていけなかったんです」

フューニャはそう言って、くるりと踵を返した。

「…お休みなさい。ルヴィアさん」

「…あぁ。お休み」

俺の寝室を出ていくフューニャの背中が、妙に小さく…そして、震えているように見えて。

その後俺は、なかなか寝付くことが出来なかった。