The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

可哀想な六番隊隊長のリーヴァは、堅実に任務を果たした。

学生達の下らない質問にも、真面目にちゃんと答えてくれた。

あんまり可哀想なもんで、俺は途中から、ずーっとにやにやしていた。

ミューリア達は緊張していて、俺がどんなに舐めた態度も、全然気づいていなかった。

それに、俺、喋らなかったし。

メモを取ってる振りをして、ずっと黙っていた。

俺が下手なことを言ったら…リーヴァは自制してくれるだろうが…ウィルヘルミナの方は、余計なことを言い出しかねないからな。

ここは黙って、プレッシャーを与えることに徹する。

全く。楽しくて堪らない。

リーヴァの方も、真面目に質問には答えていたが、ちらちら俺のことを気にしていた。

俺の顔色を伺ってるんだろうが…そんなに警戒しなくても、何もしないつもりなんだが?




そんな調子で、一時間ほど取材させてもらった。

「今日はお忙しいところ、本当にありがとうございました」

「いや…是非、良いレポートにしてくれ」

今日来てくれたのが、リーヴァで良かったな。

ユリギウスなんか来てみろ。こんな和やかには終われなかったぞ。

ルシェが来たらもっと大変なことになってた。

オルタンスの人選が功を奏したな。

「それじゃ」

リーヴァとウィルヘルミナは、逃げるようにその場を去った。

何から逃げたいのやら。俺だろうな。間違いなく。

でも、逃げられると追いたくなるんだよなぁ…。

「はぁ~。緊張したぁぁ…」

二人が去るなり、アシベルはテーブルにべたっ、と突っ伏した。

「意外に優しそうな人で良かったわね」

「隣の女の人はちょっと無愛想だったけどな」

そう言ってやるな。あれでもベッドの上では可愛いもんだから。

「それで…これからどうします?このまま現地解散ですか?」

俺は、自分からそう尋ねた。

「そうね…。レポートにまとめるのは月曜日にするつもりだったし…。このまま解散で良いかしら」

「折角だから、このまま皆でカラオケにでも行こうよ」

と、アシベル。

呑気なもんだな。この男は。

「俺は良いけど…ルナニアは?」

エルスキーがこちらを振り向いた。

「済みませんが、俺、この後ちょっと…用がありまして」

さすがにまた歯医者、とも言えないので。

適当に濁して、言い訳することにした。

「えぇ~。ルナニア行かないの?」

「何だ?ハバナさんとデートか?」

「やだなぁ。違いますよ…」

デートと言えばデートかもしれないけどな。

すると、

「なら、私もパスよ」

「僕も。さっきの取材メモ、まとめておかないといけないしね」

「えぇ~!」

今日は皆ノリが悪いなぁ。

ティモニーはいつも通りだけど。

「仕方ねぇじゃん。二人で行こうぜ」

「も~!皆、今度埋め合わせしてよ!」

口を尖らせるアシベル。皆、お前ほど頭の中お花畑じゃないんだってことだよ。

いつもなら…俺も、付き合っていたんだがな。

残念ながら、今日は駄目なのだ。

奴らの…間抜けな顔を拝んでやらなければならないからな。