The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

散々無駄な時間を過ごして、ようやく下校時間になった。

その、帰り道。

『Iron Maiden』に歩いて帰りながら、俺は背後に違和感を感じた。

「…うーん…」

…なんか、ストーカーがいるなぁ。

全く。話したいなら、普通に来れば良いものを。

追いかけっこでもしたいのか?

普段なら聞いてあげても良いのだけど…生憎今の俺は、結構不機嫌だからな。

「…それ以上ストーカーするなら、お望み通り犯してあげましょうか」

「…っ」

まさか尾行がばれてないとでも思っていたのだろうか。

彼女は、観念したように姿を現した。

「何やってんですか?カセイさん」

「…別に。声をかける機会を失っていただけだ」

「ふーん…。まぁ、そういうことにしておいてあげましょう」

「…」

クラスメイトであり、『シュレディンガーの猫』のスパイである、ハバナことカセイ・リーシュエンタールが俺をつけていた。

まぁ、大方俺の家…もとい、アジトを探りたかったという腹か?

何でも良いけど、こいつ…尾行下手過ぎやしないか?

「何の用です?」

「…帝国騎士団との抗争の準備は?ちゃんと進めてるんだろうな」

「ちゃんとやってますよ。Xにも伝えてあります」

「…なら良い」

そちらの方もちゃんと抜かりなく、だ。

今俺の策がばれたら、元も子もないからな。

「用件はそれだけですか?」

「…あぁ」

なんだ。本当に俺を尾行したかっただけなのか。

何か隠していそうだが…。この猫は一体、何を企んでいることやら。

「…そうだ。あなたのところのグループは、何について調べてるんですか?」

「は?」

「討論会ですよ。もうテーマは決まったんでしょう?」

「…帝国騎士団の…偉業の歴史について」

「うわぁ…」

ちょっとした好奇心で聞いたら、激しく後悔する羽目になった。

何だ、その糞みたいなテーマ。

反吐が出そうだ。

あ、でもそのテーマなら、図書館に行けば事足りるな…。

帝国騎士団の歴史についての書物なら、腐るほどあるから。

ちっ。うちのグループもそういうテーマにすれば良かったものを。

「お前のグループは…お前がいるんだから、何とかなりそうなものだがな」

「残念でしたね。俺は『ルナニア』ですから」

俺に聞いてくれれば調べるまでもないんだがなぁ。

残念ながら、それはルナニアの仕事ではない。

「さて…どうします?カセイさん。良ければお相手しましょうか?お酒でもご馳走しましょうか」

「結構だ」

カセイはつれない返事を残して、足早にその場を立ち去った。

全く…可愛いげのない女だ。

…何を考えてるのか知らないが。





















「…総帥。やはり…あの男は、危険です」

彼女はスマートフォンを片手に、そう呟いた。