The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

「本当にお疲れのようですね、ルレイアさん」

左の女が、労うようにそう言って、俺の太股の上に手をそっと置いた。

更に、あざとい上目遣いでこちらを見つめた。

私が癒してあげます、ってことなんだろうな。

…まぁ、合格ってところかな。

普段から躾けている成果だ。

「後でたっぷり癒してもらいますよ。今は…もう少し飲みたい気分なんでね」

「あら。あんまり酔っ払って、乱暴にされるのは嫌ですよ?」

「たまにはそういうのも良いんじゃないですか?」

横の女はくすくすと楽しげに笑った。

全く。ランドエルスの近くにこの店があって、本当に良かった。

これほどストレスを溜めて帰ってきて、発散する相手もいなかったら、発狂するところだった。

考えただけでイラッとする。

明日からも、毎日放課後に居残りさせられるとは。

しかも、あんな糞下らないことを調べる為に。

「はぁ、アホらしい…。あんなの、いくら新聞読み漁ったって、書いてある訳ないじゃないですか」

やるだけ無駄というものだ。

馬鹿みたいに時間をかけて、得られる情報と言えば、レポートにもならないような大雑把なものばかり。

あのアホ共が、これ以上新聞を調べても無駄だと気づくのは、いつになることか。

糞真面目なティモニーが諦めるには、少なくとも一週間は放課後を犠牲にしなければならないだろうな。

…あぁ、やっぱりイラつく。

「放課後まで演技しなきゃならないなんて、どんなサービス残業ですか」

「明日からもお帰りは遅くなるんですか?」

「しばらくはそうでしょうね」

「まぁ…。残念です」

俺も残念だ。

何より、どれだけ疲れるかと思うと。

…心底、うんざりするな。

はぁ。ルルシーに会いたい。ルルシーに癒してもらいたい。

けれども、今はルルシーがいないので。

「…じゃあ、そろそろ癒して頂きましょうか?」

「はい、喜んで」

恍惚とこちらを見つめる女に、俺は妖艶な微笑みを返した。