板チョコを包んでいた紙と一緒に、アリューシャはぼりぼりとチョコを齧った。
今までに食べたことのない味だった。
「あっ!こら。包みくらい開けなさい」
「つつみ…?」
何じゃ、そりゃ。
よく分からんが、結構美味いぞ。これ。
甘い。
「そのまま食べるなんて。銀紙を取るんだよ。中の茶色いところだけ食べるの」
その人はアリューシャに、板チョコを包む銀紙を取るように言った。
…茶色いところだけ?
よく分からんが、確かに口の中に紙が残る。
取ろう。
乱暴に、ばりばりとパッケージを破る。中から、茶色い板が出てきた。
…何じゃこりゃ?
この地面みたいな色。食欲失せたぞ。
「そうそう。紙じゃなくてそれだけ食べなさい」
「ふーん」
地面みたいな色だけど、それが食べ物なのなら気にしない。
板チョコをそのまま、一気食い。なんだかよく分からないけど、ちゃんとした食べ物を食べるなんて久し振りだ。
「美味しい?」
「うん」
「良かったね」
その人は、胡散臭そうな笑顔でにこ、と笑った。
…こいつ、何なんだ?
浮浪児に餌を与える偽善者の人?
呼び方に困るから、この人は今から、偽善者Aと呼ぼう。
「お前、何?」
ありがとうと言うでもなく、お名前は?と聞くでもなく。
あまりにも不躾なその質問に、偽善者Aは嫌な顔一つせず、笑顔で答えた。
「知ってる?『Sanctus Floralia』っていう非合法組織」
「…?」
アリューシャには、その外国語がちっとも分からなかった。
とにかくこの偽善者Aは、さんく…ほにゃらら。という組織の人らしい。
「私、その組織の一人なんだけど。君も一緒に来ない?」
「何で?」
「少しはまともなもの食べたくない?」
「うん。食べたい」
そりゃ食べられるものが美味しいのなら、食べたいに決まっている。
ティッシュなんて、齧っても美味しくないもん。
「なら、一緒においでよ。君に仕事をあげる」
仕事をあげる?
「仕事をもらったら、食べ物に困らない?」
「うん。困らないよ」
「ふーん…」
…じゃあ、どうしよう。
でも、この人、信用して良いの?
「大丈夫だよ。悪いようにはしない」
「そういう奴が一番悪いことすんだよ」
多分アリューシャ、今までもそういうのに騙されたことあると思うんだよ。
覚えてないだけで。
「全くだ。生きていたいなら、悪いことなんてしないと言ってる奴は信じない方が良い」
「じゃあ、どうやってお前を信じれば良いんだよ」
「そうだね…うん。じゃあ私、君に悪いことするよ。だから一緒においで」
「自分から悪いことするって奴を信用出来んの?」
「でも、悪いようにはしないって言ってる奴よりは信用出来ない?」
確かに。
「…じゃあ、あれだ。お前もし嘘ついてて、バラされるようなことがあったら、お前、呪いまくるからな」
「ぷはっ。何だそれ。面白い」
何面白がってんの?
何も面白かねぇよ。
「分かった分かった。良いよ。君の呪いは怖そうだ」
馬鹿にしてんな?こいつ。
でも、ここまで余裕ということは…こいつは信じても良さそうだ。
それにアリューシャは、もしこの人がアリューシャを騙していて、アリューシャを殺すつもりであったのだとしても。
それでも別に、良いと思ったのだ。
今までに食べたことのない味だった。
「あっ!こら。包みくらい開けなさい」
「つつみ…?」
何じゃ、そりゃ。
よく分からんが、結構美味いぞ。これ。
甘い。
「そのまま食べるなんて。銀紙を取るんだよ。中の茶色いところだけ食べるの」
その人はアリューシャに、板チョコを包む銀紙を取るように言った。
…茶色いところだけ?
よく分からんが、確かに口の中に紙が残る。
取ろう。
乱暴に、ばりばりとパッケージを破る。中から、茶色い板が出てきた。
…何じゃこりゃ?
この地面みたいな色。食欲失せたぞ。
「そうそう。紙じゃなくてそれだけ食べなさい」
「ふーん」
地面みたいな色だけど、それが食べ物なのなら気にしない。
板チョコをそのまま、一気食い。なんだかよく分からないけど、ちゃんとした食べ物を食べるなんて久し振りだ。
「美味しい?」
「うん」
「良かったね」
その人は、胡散臭そうな笑顔でにこ、と笑った。
…こいつ、何なんだ?
浮浪児に餌を与える偽善者の人?
呼び方に困るから、この人は今から、偽善者Aと呼ぼう。
「お前、何?」
ありがとうと言うでもなく、お名前は?と聞くでもなく。
あまりにも不躾なその質問に、偽善者Aは嫌な顔一つせず、笑顔で答えた。
「知ってる?『Sanctus Floralia』っていう非合法組織」
「…?」
アリューシャには、その外国語がちっとも分からなかった。
とにかくこの偽善者Aは、さんく…ほにゃらら。という組織の人らしい。
「私、その組織の一人なんだけど。君も一緒に来ない?」
「何で?」
「少しはまともなもの食べたくない?」
「うん。食べたい」
そりゃ食べられるものが美味しいのなら、食べたいに決まっている。
ティッシュなんて、齧っても美味しくないもん。
「なら、一緒においでよ。君に仕事をあげる」
仕事をあげる?
「仕事をもらったら、食べ物に困らない?」
「うん。困らないよ」
「ふーん…」
…じゃあ、どうしよう。
でも、この人、信用して良いの?
「大丈夫だよ。悪いようにはしない」
「そういう奴が一番悪いことすんだよ」
多分アリューシャ、今までもそういうのに騙されたことあると思うんだよ。
覚えてないだけで。
「全くだ。生きていたいなら、悪いことなんてしないと言ってる奴は信じない方が良い」
「じゃあ、どうやってお前を信じれば良いんだよ」
「そうだね…うん。じゃあ私、君に悪いことするよ。だから一緒においで」
「自分から悪いことするって奴を信用出来んの?」
「でも、悪いようにはしないって言ってる奴よりは信用出来ない?」
確かに。
「…じゃあ、あれだ。お前もし嘘ついてて、バラされるようなことがあったら、お前、呪いまくるからな」
「ぷはっ。何だそれ。面白い」
何面白がってんの?
何も面白かねぇよ。
「分かった分かった。良いよ。君の呪いは怖そうだ」
馬鹿にしてんな?こいつ。
でも、ここまで余裕ということは…こいつは信じても良さそうだ。
それにアリューシャは、もしこの人がアリューシャを騙していて、アリューシャを殺すつもりであったのだとしても。
それでも別に、良いと思ったのだ。


