アリューシャには、アリューシャという名前をつけてもらうまで、他に名前がなかった。

それまでは、ずっと名無しだったのである。

名前がないから「名無し」と呼ばれていた。これが名前にカウントされるなら、アリューシャの前の名前は「名無し」ということになるが。

とにかく、アリューシャに名前はなかった。もしかしたらあったのかもしれないけど、覚えていないからノーカン。

だからこの過去編は、「名無し」だったアリューシャが。

どうやって、今の「アリューシャ・ヘルフェンリッツ」という人間になったのか、その過程を語ることになる。

アリューシャは喋るのが下手だから、面白くないかもしれないけど。

時間があるなら、飽きるまで聞いて欲しい。