The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

その日もユーシャを駅まで送り、さて今日は自分の店に帰るか、それとも自宅の方に帰ろうかと考えていると。

「…随分と念入りなことだな」

「あ、カセイさんじゃないですか」

制服姿のカセイ・リーシュエンタールが、俺の後をつけてきていた。

勿論尾行されていることには気づいていたが、特に殺気も感じなかったので無視していた。

「念入りって、何がですか?」

「ユーシャのことだ…。あんなに目立つことをするとは思わなかった」

「あぁ…」

確かに、ルナニアとしては少し目立ち過ぎ、かな。

朝のあの一件。ルナニアのキャラを保つには、得策ではなかった。それは自覚している。

けれども。

「あの女を美味しく料理する為ですからね。下準備は惜しみませんよ」

「…ユーシャに、どんな因縁があるのかは知らないが…。あくまで、彼女に復讐するつもりか?」

「当然でしょう。そうでもなかったらあんな糞女、助けたりしませんよ」

わざわざルナニアのキャラを崩してまで、俺を崇拝するよう仕向けてやったのだ。

このまま許すなんて有り得ない。天地が引っくり返ったって許すなんてことは有り得ない。

絶対に許してなるものか。

「学校でのあれが…演技だと思うと、私は恐ろしい。腹の中にそんなどす黒いものを抱えていながら…よく笑えるものだ」

カセイは、恐ろしい化け物でも見るかのような目で俺を見た。

失礼な…。化け物は否定しないが、そんなに怖がらなくても良いものを。

「マフィアたる者、二枚舌三枚舌くらいは使えなきゃ。とにかくあなたは黙っといてくださいね」

「…分かってる」

俺の計画を知っているカセイには、大人しくしておいてもらわなければ。

しかし、この女もアホだな。腹の中にどす黒いものを抱きながら、騙しているのがユーシャだけだとでも?

自分もまた騙されているかもしれない、とは…考えないから、この女は役立たずだと言われるのだ。