放課後。
こうして平穏に文化祭の出し物が決まったので、俺は改めてユーシャと細かい噺を詰める為に、彼女に声をかけた。
「ユーシャさん。文化祭のことなんですけど…」
「あ…」
ユーシャは俺を見てはっとした。彼女は俺に言いたいことがあるのだろう。
そりゃそうだ。
「あ、あの…ルナニア…さん」
「はい。何ですか?」
「その…朝のこと…」
朝のこと。とはつまり、レモンティー少女とのストラップを巡る一件のことだ。
「朝の?あぁ…。お兄さんからもらったストラップだったんでしょう?嫌な奴らですよね。俺、ああいう下らないことする奴、大っ嫌いなんですよ」
あんたの兄貴とかね。
「今度何かされたら、言ってくださいね。訴えてやりますから。まぁ、多分もうしないと思いますよ。皆の前で恥をかかせてやったんだから、懲りたでしょう」
あんたの兄貴みたいな真性のドクズだったら話は別だが…。あのレモンティー一味はただのチキンなので、このままユーシャから離れていくだろう。何事もなかったように。
「あの…ありがとう。助けてくれて…」
「いいえ。当然のことをしたまでですよ。それより余計な口出しして済みませんでした。つい…」
「ううん…。嬉しかった。今まで誰も助けてはくれなかったから…」
やはり、ユーシャの中では、ミューリアのあの助け船は何の助けにもなっていなかったようだ。
全然カウントされてないみたいだぞ。ミューリア。
当たり前だ。「言い返してやりなさい!」なんてあんなアドバイス、あれも一種のいじめだからな。
いじめられたことのない頭の中お花畑さんには、分からないと思うけど。
「本当に…ありがとう。本当にありがとう…」
誰も助けてくれなかったのが、余程辛かったのだろう。
ユーシャは涙を滲ませながら、俺に感謝の言葉を告げた。
うん。その気持ち…俺もよく分かるよ。
まぁ、お前の場合、兄がやったことの報いが妹に返ってきてるだけなんじゃないかと思うが。
それをこの俺が助けてやったのだから、感謝してもらわなければ。シューレンにいじめられていたこの俺が。
「そんな大袈裟な。当然のことをしたまでですって」
俺はにこやかに笑ってみせ、もうそのことは気にしなくて良いからと、文化祭の話を進めた。
ユーシャは、昨日よりはずっと積極的に話し合いに加わってきた。どうやら、俺に随分気を許したらしい。
素晴らしい。この調子だ。
…と、内心ほくそ笑む俺を。
影からじっと睨む者の存在に、俺は気がついていた。
こうして平穏に文化祭の出し物が決まったので、俺は改めてユーシャと細かい噺を詰める為に、彼女に声をかけた。
「ユーシャさん。文化祭のことなんですけど…」
「あ…」
ユーシャは俺を見てはっとした。彼女は俺に言いたいことがあるのだろう。
そりゃそうだ。
「あ、あの…ルナニア…さん」
「はい。何ですか?」
「その…朝のこと…」
朝のこと。とはつまり、レモンティー少女とのストラップを巡る一件のことだ。
「朝の?あぁ…。お兄さんからもらったストラップだったんでしょう?嫌な奴らですよね。俺、ああいう下らないことする奴、大っ嫌いなんですよ」
あんたの兄貴とかね。
「今度何かされたら、言ってくださいね。訴えてやりますから。まぁ、多分もうしないと思いますよ。皆の前で恥をかかせてやったんだから、懲りたでしょう」
あんたの兄貴みたいな真性のドクズだったら話は別だが…。あのレモンティー一味はただのチキンなので、このままユーシャから離れていくだろう。何事もなかったように。
「あの…ありがとう。助けてくれて…」
「いいえ。当然のことをしたまでですよ。それより余計な口出しして済みませんでした。つい…」
「ううん…。嬉しかった。今まで誰も助けてはくれなかったから…」
やはり、ユーシャの中では、ミューリアのあの助け船は何の助けにもなっていなかったようだ。
全然カウントされてないみたいだぞ。ミューリア。
当たり前だ。「言い返してやりなさい!」なんてあんなアドバイス、あれも一種のいじめだからな。
いじめられたことのない頭の中お花畑さんには、分からないと思うけど。
「本当に…ありがとう。本当にありがとう…」
誰も助けてくれなかったのが、余程辛かったのだろう。
ユーシャは涙を滲ませながら、俺に感謝の言葉を告げた。
うん。その気持ち…俺もよく分かるよ。
まぁ、お前の場合、兄がやったことの報いが妹に返ってきてるだけなんじゃないかと思うが。
それをこの俺が助けてやったのだから、感謝してもらわなければ。シューレンにいじめられていたこの俺が。
「そんな大袈裟な。当然のことをしたまでですって」
俺はにこやかに笑ってみせ、もうそのことは気にしなくて良いからと、文化祭の話を進めた。
ユーシャは、昨日よりはずっと積極的に話し合いに加わってきた。どうやら、俺に随分気を許したらしい。
素晴らしい。この調子だ。
…と、内心ほくそ笑む俺を。
影からじっと睨む者の存在に、俺は気がついていた。


