The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

昼休み。

アシベルは興奮した様子で捲し立ててきた。

「しっかし、ルナニア格好良かったなぁ~!めっちゃイケメン!ハバナさんも惚れ直したに違いない!」

「あはは…ありがとうございます」

格好良いだのイケメンだの。そんなに言うなら自分でやれば良かったものを。

見ているだけの傍観者の分際で。

「でも、ルナニア本当偉かったよ。誰かが言わないといけないことだもんな」

と、エルスキー。

お前も呑気なもんだな。じゃあ自分が言おうとか思わない訳?

あくまでも、自分はやらないんだな。誰かが言わないといけないなんて言いながら、それは「自分以外の誰か」なんだ。

てめぇがやれよ。

しかも今日の昼休みは、何故かミューリアと、それからハバナ、ことカセイまで一緒にいた。

「最近のユーシャさんへのいじめ、酷かったものね。あれは明らかにやり過ぎだわよ」

とか言いながらお前も、俺が言わなきゃ止めるつもりがなかった口だろう?

で、止めたとしても余計なことまで言うのだ。言い返しなさい!なんて無神経なことを。

お前、あのレモンティー女達に負けず劣らず、糞女だもんな。

あぁ、嫌だ。やっぱり俺、最近口が悪い。

ルルシーと話したい。ルルシーと話していたら、自然と丸くなれる気がする。

彼相手に話しているとき、俺の口に出てくるのは他人への悪口雑言ではなく、ルルシーへの愛の言葉だけだもんな。

「…」

そして、カセイ。カセイは何も言わなかった。

彼女は俺の「計画」を知っている。あのユーシャという女に俺が並々ならぬ憎しみを抱いていることを。

だから彼女は何も言わない。その意味で彼女は確かに部外者だった。

「俺もずっと不愉快だったんですよ…。見てて良い気分じゃないでしょう?」

「だよなぁ…」

「あれだけ言ったら多分もうしないと思うので、これで平和ですね」

腹の中は煮えたぎっているが、あくまでも表面上はおおらかに。

カセイ辺りは、俺の面の皮を見破っているかもしれないが。

馬鹿なランドエルスの学生達は、当然、そんなことには気がつかない。

彼らは皆、俺をかつてのルルシーのような救世主か何かだと思っている。

だが、俺はルルシーじゃない。救世主にはなれない。

むしろ、逆だ。

俺はただ、自分の獲物を取られまいと、横から掠め取っただけなのだ。