The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

「ユーシャさん。お取り込み中のところ済みません。これ、昨日言った通り、まとめておきましたから」

クリアファイルの中からルーズリーフを一枚、取り出す。

昨日(俺が)出した案をまとめて、リストアップしたものだ。

ユーシャはぽかんとして俺を見つめていた。まさかこのタイミングで割って入ってくるとは思っていなかったのだろう。

これにはレモンティー少女もぽかんであった。

レモンティーが呆けている隙に、俺は彼女が指で摘まんでいたストラップを引ったくった。

「あっ…何すんのよ!?」

「それはこっちの台詞です。馬鹿なんじゃないですか」

おっと。つい素が出てしまった。

ルナニアとしてはちょっと不味いか。まぁ言ってしまったものは仕方ない。

「これはユーシャさんのものでしょう。あなた達、何かとユーシャさんに突っ掛かってるみたいですけど、未来の帝国騎士として恥ずかしくないんですか?小学生じゃないんですから、いい加減馬鹿なことやめたらどうです?見てて凄く不愉快なんですけど」

ズラズラと言いたいことを並べて、唖然とするレモンティー少女とその取り巻き達を無視し、ユーシャの方を振り返る。

彼女も彼女で、間抜けな顔でぽかんとしていた。

そんなユーシャに、俺はストラップを差し出した。

こんな汚いもの、いつまでも触っていたくなかった。

穢れる。

「はい、これ」

「あ、あ…ありがとう…」

ユーシャはおずおずとストラップを受け取り、手のひらで大事そうに包んだ。

余程思い入れがあるものなのだろう。

やっぱりぶっ壊してやれば良かったかな。

と、ここで腑抜けていたレモンティー少女が、我に返って俺を非難し始めた。

「あ、あんた、何様のつもりよ?何でそんな女庇って…」

「そっちこそ何様のつもりですか」

ユーシャをいじめるのは個人的には賛成だが、しかし彼女をいじめて良いのは、彼女の兄に傷つけられた俺だけだ。

この馬鹿女共ではない。

「今度こんな馬鹿なことをしたら、学校中の先生方に訴えますから。警察にも言います。覚えておいてくださいね」

俺はきっぱりとそう言ってやった。シューレンやベリアスならいざ知らず、チキン女共にはこの程度の脅しで十分なはずだ。

ランドエルスの教師達が、帝国騎士官学校のそれのように無能だったら話は別だが。

まぁ、ランドエルスはあの学校ほど閉鎖的ではないから、いくらでも外部に助けを求めることが出来る。

レモンティー少女とその取り巻き達は、自分達のやったことを教師陣にチクられたらどうなるか、そのことにようやく考えが及んだのだろう。怯えたような表情になった。

しかも、そこに更に、加勢が入った。