The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

翌日学校に来てみると、またしてもユーシャは絡まれていた。

と言うか、彼女は毎日いじめられている。

今日は何のネタでいじめられているのか、少し聞き耳を立ててみたところ。



「やめて…。返して。お願い」

「は?こんなダサいストラップに執着するとか、頭おかしいんじゃない」

ストラップって何だ、とちらっと見てみると、いじめっ子のレモンティー女は、赤いビーズで編んだストラップを摘まんでいた。

あれ、ユーシャのなのか。確かにダサい。

「それは…それだけはやめて。それはお兄様にもらった…」

ユーシャは涙ぐみながらそう言って、ストラップを取り返そうとしていた。

お兄様にもらった、だと?

あのシューレンが妹にやったのか。成程ダサい訳だ。

しかも安っぽい。元貴族が聞いて呆れる。

まぁ、家をクビにされたのに母親の脛を齧ってるような奴だからな。

「お兄様だって!犯罪者のお兄様にもらったんでしょ?こんなもの捨てちゃえば良いじゃない」

「やめて。返して…」

レモンティー女、今日はいつになく攻撃的だな。

昨日、俺に邪魔されたことを根に持ってるんだろうか?

ユーシャは必死に、シューレンにもらったというみすぼらしいストラップを取り返そうとしていた。

俺としては、そのストラップを今すぐ取り上げて、床に叩きつけて踵で踏みにじり、涙を流すユーシャを高笑いしながら眺めていたいところだが。

そうも行かないのが辛いところ。

むしろ、それと逆のことをしなければならない。

俺は机の引き出しに入れていたクリアファイルを片手に、立ち上がった。

「ルナニア?どうした?」

「ちょっと行ってきますね」

相変わらず知らんぷりを決め込むエルスキーとアシベルを置き去りにして、俺はユーシャ達のグループに歩み寄った。