The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

「こういうとき、ネットとか見て案を出しても良いですよね…。…あ、ほら。カラオケ大会。漫才ショーなんかも楽しそうですね」

あ、でも待て。カラオケ大会も地雷だ。

楽しそうではあるけど、カラオケ用の機材を何処かからレンタルしなければならない。

その点漫才ショーは良いかも。下らないこと喋らせれば良いんだろ?クラスメイトの誰かに。

俺はルーズリーフを一枚引っ張り出し、それに案を書いていった。

カラオケ大会はボツ。漫才ショー…っと。

「あ、迷路作るのも面白いかもしれませんね」

段ボール繋げれば良いだけだから、これは採用だな。

「あとは…物真似大会とか…。皆でハンドメイド品持ち寄って小物売りとか楽しそうですね。ユーシャは他に何かやりたいことあります?」

「私は…別に」

お前だけ案を出さないつもりか。ずるいぞ。

まぁ良い。下手に口出されて面倒臭いことを言われても嫌だし。

「あ、見て見て。女装・男装大会だって。これも衣装用意すれば良いだけだから、楽で良いですね」

あ、しまった。本音の部分までポロリしちゃった。

「女装…」

するとユーシャ。女装に食いつく。

「嫌ですか?ユーシャさんは女性だから、やるとしたら男装になりますけど」

「あの…ファーシュバル君はそれで良いの?」

ファーシュバルって誰だ、と一瞬思ったが、他でもない自分のことだと気がついた。

「ルナニアで良いですよ。それと…俺は女装…別に嫌じゃないです」

「…え…」

「ちょっと。別にそっち系の人じゃないですよ?ただ…面白いかなって思っただけです」

クラスの皆、全員性転換。

なかなかに楽しそうじゃないか。俺はファッションには自信があるからな。何でも着てやるぞ。出来れば黒を。

待てよ?よく考えたら…女装・男装大会って、実行委員としては凄く準備が楽なのでは?

だって、最悪…クラスメイト皆に、予算を分配するだけで良いのでは?

あ、一人何円までが予算なんで。その中で皆さん、各自自分の好きな衣装を揃えてきてください。後でお金返します。

これを言うだけで俺の仕事、終わりでは?

あとは当日、教室内の机を全部撤去して、椅子とステージだけを用意して…適当に司会しておけば。

優勝者とか決めるなら、紙と鉛筆だけ配って誰が相応しいかを来場者に書いてもらえば。

で、それを適当に集計するだけで。

俺の役目、終わりじゃね?

衣装は各自自分達のものになるから、洗濯の必要もない。「お疲れ様w衣装は煮るなり焼くなり、あとは自分で何とかしてねw」で済む。

これだ。

「良い。なんか凄く楽しそうですね女装・男装大会。これやりません?」

ここは、是非ともプッシュしておくべきだ。

「うん…良い、かも」

そして、幸いユーシャは押しに弱く、俺の提案を断るなんて思い付きもしない。

これは行けるぞ。

「じゃ、これ第一希望ということで」

あとはこの案がクラスメイトに受け入れられるかどうか、だが。

その辺は、俺が抜かりなく根回ししておくとしよう。