The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

宣言通り、俺は放課後にユーシャに声をかけた。

放課後は大抵、レモンティー女達に絡まれるのが常だったユーシャ。俺が声をかけると、彼女は地獄に垂らされた一本の糸でも見つけたかのような顔をした。

そしてこの日も俺は、好きでもない女と一緒に放課後ファミレスデートなどという苦行に、自ら身を投じることになったのだった。

…とはいえ、今回はカセイのときよりずっと、気は楽である。

演技をしなければならないのは変わらないが、相手がド素人であるというだけで随分簡単だ。

しかし、代わりに俺は、煮えたぎるような怒りを感じていた。

目の前にいる女が、憎いあの男とダブって見える。

顔のパーツが、所々奴に似ているところが気になって仕方ない。

死ねば良いのに。

それでもそんな態度はおくびにも出さず、にこやかに話をするのがルナニアの役目であった。

「…さて、それじゃ文化祭の出し物ですが、どんなのにします?」

「…」

恥ずかしそうに俯き、一言も答えないユーシャ。

人が聞いてるってのに、無視か。

「ユーシャさん?」

「…あの。私達で…決めちゃっても良いの?」

ようやく喋ってくれたのは良いが、声が小さくてとても聞きづらい。

ったく。はっきり喋ってくれないもんか。俺、そんなに怖い顔してないだろう。

「ある程度俺達で候補を出しておいて、後で皆にどれにするか決めてもらおうかとおもって。最初から皆に意見を求めたら、多分収拾つかなくなりますよ」

あいつら所詮、猿みたいなもんだからな。

提案だけして、計画とか準備とか面倒なことは実行委員に押し付ける。

ならばそうなる前に、こちらで簡単そうなものをいくつかリストアップして、この中からどれが良いですか?と聞いた方が楽だ。

どれを選んでも準備が楽なものをリストアップしよう。

「…そう…」

「だから、俺達で考えましょう。どんなのが良いですかね?」

「…」

何と言えば良いのか分からないのだろう。ユーシャはまたしても黙り込んでしまった。

はぁ。こういうタイプの女って、何でこう面倒臭いんだろうな。

まぁ良い。自己主張しないつもりなら、こちらから楽な方に誘導させてもらおう。

「昨日も言いましたけど、食べ物系は面倒ですし、衛生面も不安なので…イベント系にしましょうよ」

「イベント…」

「そう。お化け屋敷とか…。小さい子向けに、ヨーヨー釣りとか。どうです?」

あ、でもお化け屋敷ってなんか面倒臭そう。

発言は慎重にしないと。うっかり厄介な提案をしたら大変だ。

その点ヨーヨー釣りは簡単そうだな。ヨーヨーとビニールプール買ってくるだけで済みそう。

何かを買ってくるだけで出来るものが良いよな。

屋台なんかやってみろ。機材のレンタルやら食材の調達まで、やることがより取りみどり。

冗談じゃない。

折角、嫌々実行委員になったのだから…俺は全力で、楽をさせてもらうぞ。

そう考えると、押しの弱いユーシャがペアで良かったかもしれない。