The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

アシュトーリアさんは、何故か私のことをとても信用しているようだった。

何処に行くにも連れていくし、些細なことでも相談してきた。

何だって私をそんなに信用するのか、私にはよく分からなかったのだが…。






「ねぇアイズ。何だかアイズって名前はシンプル過ぎるわよね。もう少し良い名前にならないかしら」

「…」

その日も、何故か私はアシュトーリアさんの三時のお茶に付き合わされていた。

私があまりに特別扱いを受けるものだから、組織の中では私に対して、「あいつは何者だ?」という疑念を抱く者が急増している。

「…じゃあ、別の名前考えておきます」

名前がシンプルだなんて、初めて言われたのだが?

この名前を使い始めてから十六年くらいになるが、別に不便だと思ったことはない。

しかし、特に愛着がある訳ではないので変えてもらっても構わない。

「いやいや、私が考えたいわ…。私があなたの新しいお母さんみたいなものだもの」

「はぁ…」

「何にしようかしらねぇ…。アイズっていう名前の響きは好きなんだけど…」

「…」

まぁ、名前なんて何でも良い。好きなものにしてくれ。

出来れば呼びやすい感じの。




…なんて。

平和なお茶会の後、とても平和とは言えない穏やかならぬ出来事が起こる。