The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

彼女というのは、つまりアシュトーリアさんのことなのだが。

彼女は現在、私をとても可愛がってくれている。

『青薔薇連合会』の実質的No.2にまで取り立ててくれ、おこがましいことだが、アシュトーリアさんの一番のお気に入りとみなしてもらっている。

私が引退したら次はあなたが『青薔薇連合会』のトップになるのよ、とアシュトーリアさんが言うものだから。

幹部組は皆、『青薔薇連合会』の次期首領は私だと思っている。

いやいや、私よりルレイアの方がよっぽど向いてるんじゃないかなぁと思うのだが。

とにかく、私はアシュトーリアさんに信用してもらっている。そして、多分仲間達からも。

アシスファルト帝国で敵組織の捕虜になったときも、ルレイアは命懸けで助けに来てくれた。

私を見捨てることなど何より簡単だったにも関わらず、だ。

あのときアシュトーリアさんは、なかなか意識の戻らなかった私の傍らに、ずっとついていてくれたとか。

アシュトーリアさんは、私やアリューシャ、シュノ達のことを、我が子も同然と思っている。『青薔薇連合会』の構成員を、皆家族だと。

私にとって彼女は、母親も同然だった。

この手で実の母を殺した私が、私に人を殺すよう命令する女性を母と呼ぶ。

こんな恐ろしい矛盾を抱えていながらも、私はそれでも、彼女のことを自分の母と思っている。

彼女もまた、私を我が子と思ってくれている。

そんなアシュトーリアさんと出会ったのは、貧民街を出てから五年と少したった頃。

忘れもしない、春の始めのことだった。