「そのプードルには比較的大きな骨型のタグをつけ、両耳に赤いリボン......」


そう呟いて、しばらく考え込んだ雅さん。


「なあ、大和。プードルのシルエットだけをカフェBon Bonのロゴマークにして、男の子と女の子、そしてプードルのシルエットを会社のロゴマークにできないか?」


大和兄さまがノート型パソコンを開いて作業を進める。約5分ほど経った後、大和兄さまは雅さんにパソコンの画面を見せた。


「こんな感じでどう?」


そこにはまさに私が思い描いていたイメージがあった。男の子と女の子が向き合い、その真ん中にBon Bonがいる。言っていなかった女の子のポニーテールも、イメージ通り。


雅さんと出会った日は、お昼寝の後で髪を結んでいなかったが、あの頃の私は毎日ポニーテールにしていた。ただ、もう少し男の子の背が高ければいいな。


「大和、男の子の方、もう少し背を高くできるか? ​プードルのタグだけど、手書きで名前を入れられる? あと、両耳には赤いリボンを付けて」


雅さんの指示にすぐに取り掛かる大和兄さま。キビキビと仕事をしているこの2人も、かっこいい。


「これでどう? もう少し高い方がいいかな? 手書きの名前もできるよ」

「これを入れられるか?」


雅さんはケータイのアルバムから写真を引き延ばし、大和兄さまに見せた。それを見てにっこりする大和兄さま。


一体、どんな写真だったのだろう?


「了解、必ず入れるから、ちょっと待って」


雅さんを見ると、ただ優しく微笑んでくれるだけ。


「できたよ。これでいいと思うけど、どう?」


自信満々の大和兄さまが、雅さんに出来上がりを見せる。