この後、カフェBon Bonのロゴマークが話題になった。雅さんと大和副社長はさまざまなアイデアを考えているが、納得のいくものがないようだ。もう時間的にも余裕がなく、かなり焦ってみんなにアイデアを求めて話し合っている。


みんなの邪魔にならないように、私は自分だったら、どんなロゴマークを作るかを想像していた。


「美愛ちゃん、何かある?」


突然、副社長ではなく大和兄さまに聞かれた。


「へっ? あっ......」


いきなり振られて、思わず間抜けな声が出てしまう。


秘書の私がこの件に関与してもよいものか?
確か、これはトップだけの秘密だったような。


なかなか言い出せない私に、雅さんが優しく背中をさすってくれる。


「言ってもいいんだよ。美愛ちゃん、何か考えていることがあるでしょう? 俺たちを助けてくれないかな?」

「あ、あのね、あのね、2つのイメージがあって。1つは、小さな男の子と女の子が向き合っているシルエットの真ん中に、お座りしているプードルのシルエット。もう1つは、そのプードルのシルエットだけ。」


私の私情を反映させたこのロゴマーク、迷子になった日の雅さんと私を思い描いた。プードルはもちろん、ぬいぐるみのBon Bonだ。


まあ、こんなアイデアがみんなに受け入れられるはずがないよね。