ロゴマーク入りグッズの補充は、すでに何度か行った。そのたびに、子どもを連れた家族がBon Bonのぬいぐるみを手に取ってくれているのを見ると、つい目元が緩んでしまう。
あの頃の美愛ちゃんも、あんなふうに無邪気な笑顔を見せていたのだろうか。
そんな姿を思い浮かべるたび、自然と顔がほころんでしまう。
いつか──俺たちにも、あんなふうに笑い合える家族が増えたらいい。
オープン前に受けた雑誌のインタビューで、
「南ドイツの宝物」という意味を持つお菓子『Schatz(シャッツ)』をカフェBon Bonで毎月限定販売すると告知した影響か、今日の分はすでに完売となった。
50箱限定、お一人様1箱までという販売制限を設けていたが、それでも数時間で全て売り切れたのは、予想以上の反響だった。
本社Bon Bonで取り扱っている焼き菓子やお茶、コーヒー豆も、順調に売れ行きを伸ばしている。
すべての従業員が順に休憩を取り終え、ようやく俺もひと息つけた。
カウンターで、デカフェのドイツコーヒーを注文する。それに添えたのは、美愛ちゃんがイタリア人のおばあちゃんから受け継いだレシピで作った、ドライチェリー入りのチョコレートビスコッティ。
ほんのり甘いダークチョコレートに、酸味のあるドライチェリーがアクセントになっていて、コーヒーにディップして食べると、じんわりと体に染み込んでいく。
実はこのビスコッティ、フィナンシェ、クッキーの焼き菓子3点セットが、意外にも男性客からの注文が多く、特にコーヒーとの相性が好評らしい。
こういう反応を得られるのも、現場に立ってこそ分かる醍醐味だ。
休憩中、美愛ちゃんにメッセージを送った。
この調子なら、夜の8時半にはあがれそうだ。先にホテル9(クー)にチェックインしてもいいと。
彼女からの返事は、簡潔でいつもどおり。
『了解。着替えを持って、先にチェックインしておきます』
……、相変わらず、律儀で優しい。
美愛ちゃん、今日はゆっくり過ごせたかな?
実家では、みんなと楽しく過ごせたかな……。
あと数時間で彼女に会えると思うだけで、
たまっていた疲れがすうっと消えていくような気がした。
もうひと頑張りだ、そう思いながら、事務所での業務に気持ちを切り替える。
あの頃の美愛ちゃんも、あんなふうに無邪気な笑顔を見せていたのだろうか。
そんな姿を思い浮かべるたび、自然と顔がほころんでしまう。
いつか──俺たちにも、あんなふうに笑い合える家族が増えたらいい。
オープン前に受けた雑誌のインタビューで、
「南ドイツの宝物」という意味を持つお菓子『Schatz(シャッツ)』をカフェBon Bonで毎月限定販売すると告知した影響か、今日の分はすでに完売となった。
50箱限定、お一人様1箱までという販売制限を設けていたが、それでも数時間で全て売り切れたのは、予想以上の反響だった。
本社Bon Bonで取り扱っている焼き菓子やお茶、コーヒー豆も、順調に売れ行きを伸ばしている。
すべての従業員が順に休憩を取り終え、ようやく俺もひと息つけた。
カウンターで、デカフェのドイツコーヒーを注文する。それに添えたのは、美愛ちゃんがイタリア人のおばあちゃんから受け継いだレシピで作った、ドライチェリー入りのチョコレートビスコッティ。
ほんのり甘いダークチョコレートに、酸味のあるドライチェリーがアクセントになっていて、コーヒーにディップして食べると、じんわりと体に染み込んでいく。
実はこのビスコッティ、フィナンシェ、クッキーの焼き菓子3点セットが、意外にも男性客からの注文が多く、特にコーヒーとの相性が好評らしい。
こういう反応を得られるのも、現場に立ってこそ分かる醍醐味だ。
休憩中、美愛ちゃんにメッセージを送った。
この調子なら、夜の8時半にはあがれそうだ。先にホテル9(クー)にチェックインしてもいいと。
彼女からの返事は、簡潔でいつもどおり。
『了解。着替えを持って、先にチェックインしておきます』
……、相変わらず、律儀で優しい。
美愛ちゃん、今日はゆっくり過ごせたかな?
実家では、みんなと楽しく過ごせたかな……。
あと数時間で彼女に会えると思うだけで、
たまっていた疲れがすうっと消えていくような気がした。
もうひと頑張りだ、そう思いながら、事務所での業務に気持ちを切り替える。



