葵と彰人が心配して駆けつけてくれたので、美愛ちゃんの手首を見せた。
「あら、こんなに真っ赤になるくらい強い力で握られちゃったのね? 痛かったでしょう、かわいそうに。医師の私が診断書を用意するわよ」
さすが葵。状況を一目で把握し、即座に言葉を選んで相手にプレッシャーを与える。葵の凛とした声が場を制し、入り口には自然と人だかりができていた。
……、いいぞ。これで、ここにいる誰もが目撃者だ。この男が、俺の婚約者に何をしたのかを。
酔いが少し醒めてきたのか、やつは引きつった顔で俺と美愛ちゃんを交互に見てから、父親を見やる。
「えっ、パパ。この人が……、西園寺社長? で、こっちが……、婚約者……?」
……、パパ、だと? 二十歳を過ぎた男が、人前で『パパ』呼びか? その上、名前も顔も知らずに、俺の女に手を出したってことか。
──こいつ、終わったな。
表情は崩さず、俺は黙ったまま美愛ちゃんをそっと背後に庇った。
(お前が誰だろうと関係ない。俺の大切な人に手を出したその時点で、叩き潰す対象に変わっただけだ)
「あら、こんなに真っ赤になるくらい強い力で握られちゃったのね? 痛かったでしょう、かわいそうに。医師の私が診断書を用意するわよ」
さすが葵。状況を一目で把握し、即座に言葉を選んで相手にプレッシャーを与える。葵の凛とした声が場を制し、入り口には自然と人だかりができていた。
……、いいぞ。これで、ここにいる誰もが目撃者だ。この男が、俺の婚約者に何をしたのかを。
酔いが少し醒めてきたのか、やつは引きつった顔で俺と美愛ちゃんを交互に見てから、父親を見やる。
「えっ、パパ。この人が……、西園寺社長? で、こっちが……、婚約者……?」
……、パパ、だと? 二十歳を過ぎた男が、人前で『パパ』呼びか? その上、名前も顔も知らずに、俺の女に手を出したってことか。
──こいつ、終わったな。
表情は崩さず、俺は黙ったまま美愛ちゃんをそっと背後に庇った。
(お前が誰だろうと関係ない。俺の大切な人に手を出したその時点で、叩き潰す対象に変わっただけだ)



