スイートルームに戻ると、俺たちを出迎えたのは、家族たちの少し緊張したような視線だった。
みんな、心配してくれていたのだろう。ちょうどいい、この場で共有しておきたいこともある。
「……、こういうわけなんだ。だから今日は、婚約したという事実だけを発表しようと思ってる。それなら、美愛ちゃんのプライバシーを守れるし、マスコミの過熱も少しは抑えられると思うんだ」
けれど、葵が静かに首を振る。
「雅……。そのやり方では、むしろ後がもっと面倒になるよ。マスコミは“謎の婚約者”を探し出すことに必死になるだろうし、根拠もない記事がいくつも出回る。それを見た美愛ちゃんが……、本当に平気でいられると思う?」
葵の冷静な指摘は、痛いほど正しかった。
美愛ちゃんと関係のない女性が記事にされたり、くだらない作り話が勝手に広まったり。そんな状況に、美愛ちゃんが巻き込まれるなんて……、絶対に避けたい。
でも、これは彼女自身の気持ちが一番大事だ。
「美愛ちゃん──どうしたい? どんな選択でも、俺は君の味方で、全力で守るから。
正直に気持ちを聞かせてくれる?」
静まり返った室内に、美愛ちゃんの小さな呼吸音が響く。彼女はゆっくりと視線を上げ、みんなの前で少し震えた声を出した。
「あ、あのね……、私……、私は、雅さんの隣に……、立ちたいの。……、ダメ、かな……?」
一瞬、時間が止まったような気がした。
それから胸の奥が、熱く、ぎゅっと締めつけられる。
なんて、愛しい子なんだろう。
思わず彼女を腕の中に引き寄せて、その頭にそっとキスを落とした。ここにいてくれてありがとう、という気持ちを込めて。
周囲の誰もが、優しいまなざしを向けてくれている。圭衣ちゃんも葉子ちゃんも、そして雅の家族も、口々にこう言ってくれた。
「美愛ちゃんは、私たちが守るから」
その言葉に、美愛ちゃんの頬がふわりと緩んで、ようやく……、あの愛らしいえくぼが戻ってきた。
まるで、花がほころぶみたいに。
その笑顔を見て、俺はあらためて誓った。
何があっても、この笑顔を守り抜くと。
みんな、心配してくれていたのだろう。ちょうどいい、この場で共有しておきたいこともある。
「……、こういうわけなんだ。だから今日は、婚約したという事実だけを発表しようと思ってる。それなら、美愛ちゃんのプライバシーを守れるし、マスコミの過熱も少しは抑えられると思うんだ」
けれど、葵が静かに首を振る。
「雅……。そのやり方では、むしろ後がもっと面倒になるよ。マスコミは“謎の婚約者”を探し出すことに必死になるだろうし、根拠もない記事がいくつも出回る。それを見た美愛ちゃんが……、本当に平気でいられると思う?」
葵の冷静な指摘は、痛いほど正しかった。
美愛ちゃんと関係のない女性が記事にされたり、くだらない作り話が勝手に広まったり。そんな状況に、美愛ちゃんが巻き込まれるなんて……、絶対に避けたい。
でも、これは彼女自身の気持ちが一番大事だ。
「美愛ちゃん──どうしたい? どんな選択でも、俺は君の味方で、全力で守るから。
正直に気持ちを聞かせてくれる?」
静まり返った室内に、美愛ちゃんの小さな呼吸音が響く。彼女はゆっくりと視線を上げ、みんなの前で少し震えた声を出した。
「あ、あのね……、私……、私は、雅さんの隣に……、立ちたいの。……、ダメ、かな……?」
一瞬、時間が止まったような気がした。
それから胸の奥が、熱く、ぎゅっと締めつけられる。
なんて、愛しい子なんだろう。
思わず彼女を腕の中に引き寄せて、その頭にそっとキスを落とした。ここにいてくれてありがとう、という気持ちを込めて。
周囲の誰もが、優しいまなざしを向けてくれている。圭衣ちゃんも葉子ちゃんも、そして雅の家族も、口々にこう言ってくれた。
「美愛ちゃんは、私たちが守るから」
その言葉に、美愛ちゃんの頬がふわりと緩んで、ようやく……、あの愛らしいえくぼが戻ってきた。
まるで、花がほころぶみたいに。
その笑顔を見て、俺はあらためて誓った。
何があっても、この笑顔を守り抜くと。



