お土産を配り終えた美愛ちゃんに、数人の女子社員たちが近づいていくのが見えた。その瞬間、俺は小さく舌打ちして、急いで彼女の隣に立つ。迷わず腰に手を回し、美愛ちゃんを自分のほうへ引き寄せた。
すぐに大和と美奈子さんも近くに来て、さりげなく彼女の周囲を囲んでくれる。
頼もしい援軍──ありがとう。
「花村さん、私たちは“社長のファンクラブ”の者です」
そう名乗ったのは、女子社員グループの中でも代表格の一人。その言葉を聞いた途端、美愛ちゃんの顔がこわばる。体がわずかに強ばったのを、俺の腕越しに感じた。
……、おい。
お前ら、少しでも失礼なことを言ってみろ。
全員、クビにしてやる……。
そんな気迫を隠しきれないまま様子を見守っていると、彼女たちは意外なことを口にした。
「私たちにとって、社長はアイドルのような存在なんです。でも、さっき杉山部長も言っていた通り、社長が花村さんのことを想っているのは、みんな知っていました。だから……、応援したいんです。お二人のこと」
「今までは、社長だけが“推し”だったけど、
これからは“推しカップル”ってことで……、花村さんのことも推します!」
美愛ちゃんが驚いたように目を見開いた。
……、俺も、正直ちょっと驚いた。
これが“推し活”ってやつなのか?
正直、よくわからないが敵意がないなら、まあいい。
ああ、そうだな。俺が一番信頼してる大和が面接して採用した社員たちだ。もう少し、信じてやってもよかったのかもしれない。
次の瞬間、他の女子社員たちも美愛ちゃんの周りに集まり出し、彼女の左手にある婚約指輪に注目が集まった。
「えっ、これ特注ですか?」
「わあ、可愛い……、どこのブランド?」
「社長が選んだんですか?!」
質問攻めにあって、目をぱちくりさせる美愛ちゃん。恥ずかしそうに頬を染めながら、でも楽しそうに指輪のことを語っている。
その姿を見て、胸がじんと熱くなった。
いろいろなことがあったけど……。圭衣ちゃんが紫道を紹介してくれて、この指輪を作ることができた。
本当に、良かった。この婚約指輪が、今の彼女をこんなにも幸せそうにしてくれている。
俺の中で、また一つ、大切な思い出が刻まれた。
すぐに大和と美奈子さんも近くに来て、さりげなく彼女の周囲を囲んでくれる。
頼もしい援軍──ありがとう。
「花村さん、私たちは“社長のファンクラブ”の者です」
そう名乗ったのは、女子社員グループの中でも代表格の一人。その言葉を聞いた途端、美愛ちゃんの顔がこわばる。体がわずかに強ばったのを、俺の腕越しに感じた。
……、おい。
お前ら、少しでも失礼なことを言ってみろ。
全員、クビにしてやる……。
そんな気迫を隠しきれないまま様子を見守っていると、彼女たちは意外なことを口にした。
「私たちにとって、社長はアイドルのような存在なんです。でも、さっき杉山部長も言っていた通り、社長が花村さんのことを想っているのは、みんな知っていました。だから……、応援したいんです。お二人のこと」
「今までは、社長だけが“推し”だったけど、
これからは“推しカップル”ってことで……、花村さんのことも推します!」
美愛ちゃんが驚いたように目を見開いた。
……、俺も、正直ちょっと驚いた。
これが“推し活”ってやつなのか?
正直、よくわからないが敵意がないなら、まあいい。
ああ、そうだな。俺が一番信頼してる大和が面接して採用した社員たちだ。もう少し、信じてやってもよかったのかもしれない。
次の瞬間、他の女子社員たちも美愛ちゃんの周りに集まり出し、彼女の左手にある婚約指輪に注目が集まった。
「えっ、これ特注ですか?」
「わあ、可愛い……、どこのブランド?」
「社長が選んだんですか?!」
質問攻めにあって、目をぱちくりさせる美愛ちゃん。恥ずかしそうに頬を染めながら、でも楽しそうに指輪のことを語っている。
その姿を見て、胸がじんと熱くなった。
いろいろなことがあったけど……。圭衣ちゃんが紫道を紹介してくれて、この指輪を作ることができた。
本当に、良かった。この婚約指輪が、今の彼女をこんなにも幸せそうにしてくれている。
俺の中で、また一つ、大切な思い出が刻まれた。



