「ゆっくりでかまわないから」
そう優しく言ってくれた雅さんに促され、私は数回深呼吸をしたあと、ようやく言葉を紡ぎ始めた。
「あ、あのね……、いろいろ考えてるんだけど、やっぱり、怖いの」
「何がそんなに美愛ちゃんを怖がらせてるのか、教えてくれる?」
「ま、また佐藤麻茉さんの時みたいになったらって……。みんなの反応が、怖くて……。だって、雅さんはすごくモテるし、私は何の取り柄もないし……。こんなことでパニックになる私が、この先ちゃんとやっていけるのか不安で……。雅さんに迷惑をかけちゃうんじゃないかって……、そ、それで……、いつか愛想を尽かされちゃうのかなって。雅さんに嫌われたら、私は……、どうなっちゃうんだろうって……」
声が小さくなっていくのが自分でもわかった。それだけ、私は自分に自信が持てないでいるのだ。
そんな私の言葉を、雅さんはひとつひとつ丁寧に受け止めてくれた。
「美愛ちゃんの不安も、ちゃんと分かるよ。でも会社の人たちは、たぶんもう気づいてると思う。何人かには『早くしないと他の男に攫われるぞ』ってまで言われたしね」
そこで一度、優しく微笑む。
「それにね。俺は、美愛ちゃんのことを一度も“迷惑”だなんて思ったことはないよ。これからも、そんなふうに思うことは絶対にない。俺は、美愛ちゃんのことが本当に大好きなんだ。たぶん、美愛ちゃんが思っている以上にね」
私の目を見つめながら、彼は続けた。
「前にも言ったけど……、俺、美愛ちゃんじゃなきゃダメなんだ。俺の中では、美愛ちゃんこそが“運命の人”だから。プロポーズの時にも言ったよね。美愛ちゃんのすべてを受け止めて、守らせてほしいって」
その言葉に、胸がじんと温かくなる。
「そうだ、守るってことで、もうひとつ話しておきたいことがあるんだ」
少し声のトーンを落として、雅さんが打ち明けてくれた。
「引越しのときに涼介と一緒にいた警備会社の人たち、覚えてる? あの会社に美愛ちゃんのボディーガードを依頼したんだ。これはジョセフさんとも話して決めたこと。……、“旧”がついてるとはいえ、俺も一応、華族の家の人間だからね。美愛ちゃんに気づかれないように、できるだけ自然な形でガードしてもらうつもりだよ。実は俺の母さんと葵にも、過去に一時期ついてたことがあるんだ」
そう言って、彼は膝の上に座る私の額にそっとキスをくれた。
やっぱり、雅さんの腕の中がいちばん落ち着く。
そう優しく言ってくれた雅さんに促され、私は数回深呼吸をしたあと、ようやく言葉を紡ぎ始めた。
「あ、あのね……、いろいろ考えてるんだけど、やっぱり、怖いの」
「何がそんなに美愛ちゃんを怖がらせてるのか、教えてくれる?」
「ま、また佐藤麻茉さんの時みたいになったらって……。みんなの反応が、怖くて……。だって、雅さんはすごくモテるし、私は何の取り柄もないし……。こんなことでパニックになる私が、この先ちゃんとやっていけるのか不安で……。雅さんに迷惑をかけちゃうんじゃないかって……、そ、それで……、いつか愛想を尽かされちゃうのかなって。雅さんに嫌われたら、私は……、どうなっちゃうんだろうって……」
声が小さくなっていくのが自分でもわかった。それだけ、私は自分に自信が持てないでいるのだ。
そんな私の言葉を、雅さんはひとつひとつ丁寧に受け止めてくれた。
「美愛ちゃんの不安も、ちゃんと分かるよ。でも会社の人たちは、たぶんもう気づいてると思う。何人かには『早くしないと他の男に攫われるぞ』ってまで言われたしね」
そこで一度、優しく微笑む。
「それにね。俺は、美愛ちゃんのことを一度も“迷惑”だなんて思ったことはないよ。これからも、そんなふうに思うことは絶対にない。俺は、美愛ちゃんのことが本当に大好きなんだ。たぶん、美愛ちゃんが思っている以上にね」
私の目を見つめながら、彼は続けた。
「前にも言ったけど……、俺、美愛ちゃんじゃなきゃダメなんだ。俺の中では、美愛ちゃんこそが“運命の人”だから。プロポーズの時にも言ったよね。美愛ちゃんのすべてを受け止めて、守らせてほしいって」
その言葉に、胸がじんと温かくなる。
「そうだ、守るってことで、もうひとつ話しておきたいことがあるんだ」
少し声のトーンを落として、雅さんが打ち明けてくれた。
「引越しのときに涼介と一緒にいた警備会社の人たち、覚えてる? あの会社に美愛ちゃんのボディーガードを依頼したんだ。これはジョセフさんとも話して決めたこと。……、“旧”がついてるとはいえ、俺も一応、華族の家の人間だからね。美愛ちゃんに気づかれないように、できるだけ自然な形でガードしてもらうつもりだよ。実は俺の母さんと葵にも、過去に一時期ついてたことがあるんだ」
そう言って、彼は膝の上に座る私の額にそっとキスをくれた。
やっぱり、雅さんの腕の中がいちばん落ち着く。



