コンネリシャス王国の  恋物語

ずっと片時も離れずルルを守ってきた。

ある日突然バンアロア国のお城に連れ去られて王妃様の病気やお城内の伝染病も収束させたのにルルは帰してもらえなかった。

セレスはチリルも心配しているだろうし様子を見てきてほしいとルルに頼まれてお城を後にしたら、二度とお城には入れてもらえなかった。

どれほど後悔したかわからない。

ルルのそばを離れるんじゃなかった。

何度も城へ潜入するのを試みたが成功しなかった。

ここのお城は自然の要塞のようになっている。

外観は観光名所にもなるくらいにかわいらしいお城なのだが、三方を切り立った崖で囲まれお城自体も小高い山の上にある。

お城までの道は一本道で門にたどり着くまで二か所の検問がある。

セレスは自分一人では限界だと感じた。

ここから先は国と国の話し合いにするしかない。

その後すぐにセレスはフェイレアに今の状況をいつもの方法で緊急として知らせた。

緊急の場合は伝書鳩に細工をすることになっていたのだ。

セレスが城を出てから一週間は立っていた。

ジュオン王子はすぐに動いた。

それから五日後コンネリシェス王国の使節団がバンアロア国の王様を表敬訪問しに来たのだ。

その内容は表敬訪問と言うような生易しいものではなくルルを奪還しに来たのだ。

ジュオン王子がルルを返さなければ戦争も厭わないという意思表示をはっきりとしたのだ。

王様の慌てぶりは見物だった。

ルルとジュオン王子は再会すると暫く抱き合って動けなかった。

俺たちはみな二人を囲むように背中を向けて王座に対峙していた。

ルルが静かに泣いているのを背中に感じて、胸がじくじくした。

彼女を独り占めできるジュオン王子が心底羨ましい。

そして一行はイリス王女の伝染病の症状が悪化している事もあり、そのままコンネリシェス王国へと向かったのだ。

俺はチリルを守ってとルルに言われてバンアロア国に残ったが、イリス王女が回復したら近衛騎士としてコンネリシェス王国に帰るつもりだ。

俺はルルへの想いを一生胸に秘めてルルを守り続けると決めた。

ジュオン王子が、任務の遂行にお礼を言ってくれて、近衛騎士に戻ることを希望するかと聞いてきたので、できたらルルをこのまま守っていきたいと言った。

王子の婚約者として、王子妃としてそしていつかは王妃としてのルルを護衛騎士として守っていきたいとジュオン王子に願い出たのだ。

近衛騎士は守る王族の担当が決められる。

今フェイレアはイリス王女の担当になっている。