コンネリシャス王国の  恋物語

ルルはイリスの手を握るとグラスに入っていた水をすてて“癒しの水よ出でよ”と言ってグラスに水をためてそれをルルに少しでいいから飲んでと言って体を起こして飲ませた。

後で塩やレモンを絞っていれた体に吸収しやすい水を作る必要があるが、今はとにかくルルが魔法で出した水と治癒の魔法でしのいだ。

イリスが少し水を飲んでまた眠ってしまうとルルは厨房に行って魔法で出した水に二%の濃度になるように塩を入れるように指示をして、そこにレモンのしぼり汁を少量加えてルル特製のスポーツドリンクを作った。

それをイリスはじめ病に伏せている侍女達にも飲ませるように指示し、少し食事をとれる者にはおかゆや雑炊を作って、食べさせるときに熱さましや胃腸の調子をよくする薬草をすりつぶしたものを混ぜて食べさせるようにと言った。

セレスの連絡のお陰で王宮内の人は皆マスクをして手洗いうがいも徹底してやってくれていたのでもう被害は広がらないだろうと思えた。

今、一番重症なのはイリスだ。

ルルはイリスのそばを離れずベッドの横に椅子を持って行って、寝ずの看病をした。

一日に何度も治癒魔法を施してそのたびにイリスの呼吸が楽になるのを見て安心したのだった。

水も美味しいと言ってちゃんと飲めるようになった。

王妃様も二人の間には入り込めないと言って全面的にルルに看病を任せた。

二日後には熱も下がり始め何とか峠を超えたようだ。

そしてその後は食事も重湯から五部がゆ、そして雑炊とルルがイリスの様子を見て、食べさせていった。薬草も食事に混ぜて取れるようになると治りは早かった。

そしてルルが帰って来てから一週間後イリスは全快した。