コンネリシャス王国の  恋物語

コンネリシェス王国の使節団一行はルルを伴って即刻お城を後にして港まで馬を飛ばし船に乗り込んだ。

セレスにはチリルを守ってとお願いして残ってもらった。

コンネリシェス王国に帰った後のことを何も話していないのでチリルにはイリスの事を知らせてとにかくルルは急いでイリスのもとに向かうことにしたのだ。

ジュオン王子とルルは何カ月もの間会えずにいた時を取り戻すように船の中ではぴったりくっついて離れようとしなかった。

廻りの騎士や侍従もそっとしておいてくれた。

二人は会えずにいた時のことを報告し合って船で過ごしたが、ルルはイリスの事が頭から離れずコンネリシェス王国の港に着くとすぐにジュオン王子の馬に乗せてもらって、王宮のペレル王家の屋敷の前まで馬でやってきた。

イリスの部屋に飛んでいくと、イリスは苦しそうな息をしてベッドに寝ていた。

熱がまだ下がらず水も食事も受け付けなくて今日は名前を呼んでも目を開けてくれないと言って王妃様が涙ぐんでいた。

「大丈夫です。イリスは絶対助けます」

そう言うとルルは、イリスの部屋を浄化してイリスの腕を触り治癒の魔法を注入した。

ルルの手から白い暖かい光が発せられてイリスの体を包んでいった。

ルルは全力で治癒の魔法をイリスに掛けたので少しふらついてしまった。

「ルル、大丈夫か」

そう言ってジュオン王子がそっとルルを抱きとめてくれた。

「ルル?」

掠れた小さな声がルルを呼んだ。

「イリス もう大丈夫だよ。このルル様が
イリスの専属治療師になったからね。
すぐに治してみせるよ。だから頑張って」