コンネリシャス王国の  恋物語

城に連れてこられて一月が過ぎるころ、バンアロア国にコンネリシェス王国よりの使者が来たと聞いてルルは期待に胸を膨らませていると、突然西の塔に軟禁された。

コンネリシェス王国の使者とは会わせてはもらえないようだ。

存在さえ否定されるのかもしれないと不安におののいていると、どこからか紙の鳥が開けた窓からルルのもとに飛んできた。

ルルは急いで開いて読むと、それはジュオン王子からの手紙だった。あまり長い文はかけないのだろう、簡潔にコンネリシェス王国の言葉で

“必ず見つけ出して連れて帰るので待っていて。愛している。ジュオン”と書かれてあった。

それを見てルルは号泣した。

ジュオン ジュオンと何度も愛しい人の名前を呼んで流れる涙を拭きもせずその手紙を抱きしめていた。

半年以上も会えなくて声も聴いていない。

愛する人は今この城のどこかにいるはずだ。

ルルは必ずジュオン王子と共にコンネリシャス王国に帰るのだと、自分を奮い立たせ涙を
ぬぐった。

ジュオン王子がきっと助けてくれる。
 
それを信じよう。

ルルは胸の前で祈るように手を組んでドアをじっと見つめていた。