コンネリシャス王国の  恋物語

すぐにルルを迎えに行くつもりだったジュオン王子は、迎えに行くと言うよりバンアロア国からルルを取り返さなければならなくなった。

ルルはバンアロアの城から帰してもらえ無いようで今の状況もセレスは分かっていない。

セレスは城に忍び込めないので、後は国同士の話し合いしかないとフェイレアに知らせをよこしている。

ぐずぐずしているとルルの白魔法の力を取り込みたい王家の意図があり、ルルの居所もわからなくされる危険があるとセレスは考えているようで、毎日城から出る馬車を見張っているようだ。

幸いバンアロアの城に行くのに馬車が通れる道は一カ所しかないという事なのでそこを見張っていればルルが連れ出されたときにすぐに対応できるとセレスは思っているようで突入しないか心配でもある。

たった一人でルルを奪い返そうと行動を起こさないように諫めている。

居場所さえ把握できていれば何とかなるので無理に争いを起こさないように伝えさせた。

悪いことに一週間前に、イリスが病に倒れた。

その症状からバンアロア国で猛威を振るった伝染病の可能性がある。

まずイリスの侍女の一人が倒れた。

侍女は休日に実家に帰った時にバンアロア国からのお客様と接触していたらしく、休暇の後宮殿で発熱し同じ部屋の者や周囲の人達が感染していった。

そしてイリスも感染してしまった。

セレスからの報告があったのですぐにマスク、手洗い、うがいを実行させたので、感染の速度は緩やかになってきているし、まだ、市井には広がっていない。

そんな事もありもう一刻も猶予はできなかった。

イリスの事もあり陛下も母上もルルに一日でも早く帰って来てもらいたいと願っている。

ジュオンは陛下よりバンアロア国の王様にあてた親書を持ちすぐにルルを迎えにバンアロア国に旅立った。