コンネリシャス王国の  恋物語

お城に着くとすぐに王様の御前に連れていかれた。

ルルは普段着のまま来てしまった事をいまさらながら思い出して、王様の前でしまったと思ったが後の祭りだ。

仕方がない、急に連れてこられたのだ。着替える暇もなかったのだから、お許し願おう。

と勝手に思いながらそれでも、最上級の礼をして頭を下げていた。

「あなたがバンアロアの天使と
言われる人かな?面を上げて顔を
よくみせてくれないか」

と王様に言われて、ルルはバンアロアの天使って何のこと?と訳が分からず、キョトンとした顔で頭を上げて王様を見た。

六十代位の優しいおじいちゃんと言った感じの気さくな王様のようだと思った。

「おう、バンアロアの天使は可愛い顔を
しておるなあ。白魔法が使えるらしいな。
コンネリシャス王国の出身だと言う事だが、
なぜこの国に?」

ルルは何と答えればいいかわからず、何も言えなかった。

すると、近くにいた王様の側使えのような人が

「王様、そんなことは後でいいので
一刻も早く王妃様を診ていただかないと」

と王様に言っている。

王様の耳元で内緒のつもりなのだろうが、どうやら王様は耳が少し遠いらしく内緒にはなっていない。全部聞こえている。

そういう事か、ルルが連れてこられたのは王妃様が病気だから、多分伝染病なのだろうとルルは思った。