コンネリシャス王国の 恋物語

ルルには前世の記憶がある。

それはルルが九歳の時、朝割れるように頭が痛くて目が覚めた。

悪い夢でも見ていたかのような感じで天井を見上げていた。

そして夢の記憶の前世は日本人で家族は居酒屋というお酒も飲める飲食店を経営していた。そこで厨房に入り料理を作る手伝いをしていたのだ。

料理が上手でいろんな料理を考案したりして両親に重宝がられていた。

大学の三年生で管理栄養士を目指して勉強もしていた。

日本ではパソコンという物が普及しており、紙の教科書はほとんどなかった。

毎日小さなパソコンをもって大学に行くのだ。

その中にすべての授業に必要な情報が入っていた。

そして二〇歳で日本では成人となり盛大に祝うのだが、友人たちと楽しんだお祝いのパーテイの後、帰り道で歩道橋の階段で足を滑らせて頭から階段を堕ちて死んだのだった。

頭がガンガン痛くて目を覚ましたのはそのせいだったかもしれない。

そして、ルルはその日本人の少女の記憶をすべて引き継いだのだった。

それから料理が好きになり、その記憶を頼りに日本で作っていた料理を再現するようになった。

料理やその他細かい事柄はよく覚えているのだが、家族のことはほとんど覚えていない。きっと今の家族が大好きだから思い出すこともなかったのだろうと思っている。

ルルが白魔法を使えるようになったのもその後からだった。