コンネリシャス王国の 恋物語

セレスはルルが体力の限界まで働いているのを側で見ていて心配で仕方がなかった。

治癒魔法も重病人に限って手を握ったり背中を擦ったりしながら注いでいた。

治癒魔法を使うときはルルの手が白く光るのでセレスはそれが見えないように隠すのに必死だった。ルルはあまりそういう事に頓着しなかった。

自分の魔力が少なくてたくさんの人に治癒魔法を使えないと言って落ち込んだりする。

そんなルルの優しさに献身的に病人に尽くす崇高さに、セレスは魅かれて行ったのだった。

限界まで治癒魔法や浄化の魔法を使い、癒しの水を出して病人に飲ませる水を作るのも毎日の日課になっている。

この頃ではこの国立治療院だけでなく市井の治療院にも出向いて水を作ったりお粥や雑炊を作ったりしている。

一日中働き詰めで夜も三時間寝ればいい方だった。

それなのにセレスの体を心配して寝る前には必ずセレスに浄化の魔法や治癒魔法を施そうとする。

自分をもっと大切にしろと言ってそれは必要ないと言って断るのだが、不意打ちで手を握られてドキッと固まってしまう間に治癒魔法を注がれてしまう。

セレスは、ただはらはらとルルを見守り疲れ切ってしまう前に休ませるようにすることしかできなかった。