コンネリシャス王国の  恋物語

二週間もすると外に溢れる人達はいなくなった。

みんなの不眠不休の賜物だと、院長から感謝された。

その間一度チリルが沢山のマスクを持ってきてくれたのだが、ルルとセレスが疲弊して目の下にクマを作っているのを見てびっくりしていた。

そして、これでもかなり良くなったのだという二人に帰って来いとは言えないと言って名残惜しそうに帰っていった。

ルルはチリルには大切なチルチルをしっかり守ってほしいと願った。

食べ物が食べられるようになると、薬草も飲めるようになるのでそこからの患者の回復は早かった。

子供は苦い薬草を飲んでくれなかったので甘さを控えめにバターも入れないスイートポテトを作って薬草と交互に食べさせると子供たちは喜んで薬も飲んでくれた。

スイートポテトは大好評で大人の患者も食べたいと言ってくるので、ルルは甘さ控えめのスイートポテトのレシピを料理人に教えておやつタイムに出してもらうようにした。

胃腸の調子が整っていない人にあまり甘いものやバターなどを使ったスイーツはよくないのではと、医者に相談したら何でも食べたいものを食べさせるのが回復には大切だからと医者は言ったので、量を調節して少量ずつ食べさせることになった。

病室に入るとルルは必ず浄化の魔法を放ったので、ルルが病室に行くとみんな気持ちが良くなると言って喜んでいた。

そうしていつの間にか、ルルの事を“バンアロアの天使”と呼ぶようになったのだが、ルルは後後まで自分がそんな風に呼ばれていることは、全然知らずにいた。