コンネリシャス王国の  恋物語

バンアロア国は農業が盛んだ。

気候も温暖で冬でも雪が降ることはめったにないし夏もそこまで熱くはならない。

果樹園も多い。

バンアロア国でしか育たない果物もたくさんある。

そしてこの国ではサツマイモの収穫量がとても多い。

主食といってもいいだろう、とにかくバンアロア人はサツマイモが大好きだ。

そのせいか男女ともちょっとぽっちゃり系の人が多い。

コンネリシェス王国ではサツマイモはあまり流通していなかったのでルルは大喜びでサツマイモのスイーツを作った。

スイートポテトや大学芋は、サツマイモ好きのバンアロア国の人々に大人気になった。

ルルはサツマイモでコロッケを作って、チリルとセレスに喜ばれた。

チルチルやスイーツのほうも安定して売り上げがあり商売としては順調だった。

そんなことを定期連絡でセレスがフェイレアに伝えると、みんなが食べたいと言って羨ましがったそうだ。

ルルは逃亡生活でもチリルとセレスと共に楽しく過ごしていたが、ジュオン王子に会えないのが心底寂しい。

ジュオン王子が恋しい時は胸元のペンダントを触ると少し落ち着くことができる。

このペンダントをくれた時の事を思い出して幸せな気分になれるのだ。

コンネリシェス王国にはあまり手紙も頻繁には出せないので、セレスとフェイレアが一週間から十日に一度伝書鳩を使って連絡している。

結構な距離があるのだがジュオン王子が鳩に魔力を補助して強化しているらしい。

バンアロア王国の言語は大陸語と少し違っているのだが、三人とも選択科目でバンアロア語を取っていたので言語には困らない。

コンネリシェス王国では大陸語が離されていてトピアーズ共和国やユバンナ王国でも大陸語が共通語として話されている。

ここバンアロア王国だけがバンアロア特有の言語となっているのだ。

コンネリシェス王国とは友好関係が早くから築かれているので大陸語を話す人も多い。