コンネリシャス王国の  恋物語

でも、ルルは来年の合宿には参加できない事態になることをその時はまだ知らずにいた。

夏休みの合宿も終わり九月にルルは三年生になった。

ジュオン王子はますます公務が忙しくなり会う事も叶わなくなっていった。

寂しかったがルルも三年生になり忙しく学園の魔法クラスでも最上級生となり下級生の指導などにも駆り出されることも増えてきた。

年が変わり新年の休みを迎えるころコンネリシェス王国の北の山の向こうの国ユバンナ国が軍事力を強化し始め周辺諸国を不安にさせるようになった。

ユバンナ王国はコンネリシェス王国を狙っているのを前々から警戒はしていたらしいのだが、今回は隣の国のトピアーズ共和国に攻め入ろうとしているらしい。

そしてトピアーズ共和国を手中にしてコンネリシェス王国にトピアーズ共和国側から陸路を通りコンネリシェス王国に侵略すると言う作戦らしい。

そんな情勢でジュオン王子やリュウセイもほとんど学園に来ることができなくなっていた。

イリスに会いに王宮に行った時に時間があれば二人で会う事ができる。

そんな逢瀬でも顔を見るだけで安心するルルだった。

ジュオン王子はルルの作るスイーツを食べて元気をもらっていると言ってくれるので王宮に行ける時には毎回スイーツをもっていくようにしていた。

でも日に日に顔が険しく精悍になっていくジュオン王子に、状況は厳しいのだろうと思いながら、せめてルルと二人でいる時にはリラックスしてほしくて、幼い日の楽しかった話や、三年生になったルルの学園での話を聞かせて笑い合った。

二年生の時の魔法学の合宿の時の、ウルフベアーや大黄泉の木の話をするとジュオン王子はルルの事ちゃんと覚えてくれていたんだなあと嬉しそうに言ってくれた。