コンネリシャス王国の  恋物語

「フェイレア、義兄さん。
よろしくお願いします」

と愛しい人の声がした。

振り向くとジュオン王子がすぐそばに立っていた。

「王子といえども、ルルを泣かせたり
粗末に扱ったりしたら絶対に
許さないからな」

「もちろん、一生大切にすると誓う」

そう言うとジュオン王子はルルの前に膝まづいて、ルルの手を取って手の甲に口付けた。

「はあ~っ、ジュオンお前何時からルルを
狙っていたんだよ。
ちっとも気付かなかった。情けない。
自分が許せないよ」

「何言っているんだか、あからさまに
アピールしていたのに二人とも鈍感
なんだからな。
何時からルルが好きだったかなんて
覚えてないよ。ルルの隣は俺の場所って
子供の時から決めていたんだから、
そこだけはだれにも譲るつもりはないから、
ファイレアにも」                  

「何言っているんだ。                                                                                                                                                                                仕方がないからルルの左側は譲ってやるから
右側はおれの場所だからな」
                                                            「はあ、いつまでもルルにくっついてないで
自分の守りたい女をちゃんと見つけろ。
ほんとフェイレアのシスコンもう病気だぞ」

「うるさい。もう今日は帰って寝る。
ふて寝だ。チクショー ルル考え直せ、
兄ちゃんがもっといい男見つけてやる」

「ジュオンよりいい男なんていないよ。
もう兄様もいい加減に諦めてジュオンの
事認めてね。
父さんも母さんもおばあちゃんも
みんな大賛成なんだから」

ジュオンよりいい男なんていないと言われて当の本人は嬉しさのあまり固まってしまっている。

はっと正気に戻って思わずルルを抱きしめた。

「ルルありがとう。もっといい男に
なるからな」

ルルは抱きしめられて焦った。

「ジュオン、こんなところで何やっているの
みんなに見られるよ。
まだ内緒にするって言っていたでしょう」

そういって身をよじってジュオン王子の抱擁から抜け出した。

「兄様も誰にも言わないでね」

てもう聞いてやしない。

しょんぼりとして肩を落として去って行ってしまった。

一寸申し訳なく思うルルだった。

でも最難関のフェイレアに何とか認めてもらえてほっとする二人だった。