コンネリシャス王国の  恋物語

ルルは今組分けも済んで親友のチリルと同じクラスになりほっとして教室に向かっているところだ。

「ねえ、今日のジュオン殿下のスピーチも
素晴らしかったわね。
相変わらず素敵だった。
また身長が伸びたんじゃない?
百八十五センチはあるよね。
手足が長くて制服がばっちり似合ってた。
スピーチの声もセクシーで倒れそうに
なったわ」

「チリルったら大袈裟なんだから、
ちょっとお顔が整っているだけじゃない。
そこまでとは思わないけど」

と一応言っておく。

実はルルの母親と王妃つまりジュオン王子の母親とは学生の頃からの親友で、幼い時は両家の子供たちと母親二人でよく集まっては遊んでいたのだ。

王家の別荘に夏の間滞在したこともある。ルルは六歳くらいの時なのであまり覚えてはいなかったが、ジュオン王子とルルの兄フエイレアは結構仲が良かった。

今兄は王宮の近衛騎士団にいるのでジュオン王子とも顔を合わせるようだが、そこは騎士と王子なので友人のような態度はとれない。

ルルも同じだ。ジュオン王子とは幼馴染だなんて口が裂けても言うことはできない。

「ルル何言ってんの、そんな事親衛隊に
聞かれでもしたら拷問よ、拷問!」