コンネリシャス王国の  恋物語

そんなルルは一緒に暮らす祖母が大好きだ。

まじめで振り幅の少ない父親の母親とは思えない自由でおおらかな祖母は、ルルのよき理解者で尊敬する女性だ。

祖母は自分で小さな雑貨の店を経営している。

アクセサリーやエプロン、布バックなどの布製品もオリジナルで作って売っている。

手作りの可愛いアクセサリーは値段も手ごろでルルの友達や母の知り合いにも人気がある。

おしゃれな母はお店の広告塔で母がつけていると同じものが必ずヒットするそうだ。

祖母は母のテイアムにデザインも任せている。

斬新で色使いも個性的な母のデザインの髪飾りやネックレス、ブレスレットなどテイアムブランドとして母の名前のブランド名がついているほどだ。

少し前には、猫や小さな犬を飼う上流階級の奥様達の流行に目を付けた母が考案したビーズで飾りをつけたカラフルな首輪とリールのセットが爆売れしたらしい。

お店を一緒に経営する母と祖母も大の仲良しである。

スタッフも楽しそうに色々なものを手作りしている。

ルルは忙しい母や祖母に変わり時々夕食を作ることもある。

王立コンネ学院には立派な食堂もあるのだが、ルルはたいていお弁当を持っていく。

初等科から学院に通っているのでお弁当作りも慣れたものである。

五歳年上の兄のフェイレアも二年前騎士養成コースの専科を卒業して今は王宮の近衛師団に所属するようになり内勤の日にはお弁当をルルに作ってもらっている。

ルルのお弁当は見た目も味も抜群で時々見たこともないような新作の料理が入っていたりするので、仲間の騎士たちも興味津々で五百バーツで売ってくれと言われたこともある。この国で五百バーツと言えば高級なレストランでフルコースの食事ができる値段だ。

でも可愛い妹手作りの弁当は誰にも食べさせるつもりはないそうだ。