コンネリシャス王国の  恋物語

だいたい出来上がるころにはアレク第二王子が一番にやってきた。

もうワクワクして料理から目が離せない。

ほとんど見たことがないような料理ばかりだろうから無理もない。

イリスは摘み食いしないように侍女に見張っていてと言っている。

自分はさんざん摘み食いしていたのにと笑ってしまった。

イリスはあれは味見であって摘み食いではないと言い張っている。

アレク第二王子にパイクリームの中身を入れるのをやってくれるかと聞くと大喜びでやってくれた。

あまり入れすぎないように注意して重さが同じになるように考えて絞って入れてねというと真剣な顔でやっていて、とても可愛かった。

夕食会は、それはもう楽しかった。

ペレル王家の方々はみんな気さくでおしゃべりで和気藹々とした雰囲気だった。

陛下はいつも国民の前ではそうニコニコとはなさらないけれど、今日はもう家の父親と変わりないように見えた。

母が大好きですぐに手を握ったり抱き寄せたり隙あらば頬や額にチュッとキスをするのだが、陛下もまるで一緒なのだ。

王妃様に引っ付いて椅子を段々と寄せて行って、しまいにはぴったりくっついているのだ。

手を繋いで離そうとせず王妃様が食事ができないと言ってむくれるとじゃあと言って食べさせようとする。

家の父親より溺愛が激しい。

それをスルーする王妃様がまた凄い。

家の母親も父親の構ってモードにはスルーを決め込んでいる。