コンネリシャス王国の  恋物語

そして、一学年の修了式の日念願のお料理をイリスと王宮の東の棟でつくることになっていたので、兄に買い出しのお供を頼み荷物も持ってくれて東の棟まで送ってもらった。

東の棟と言っても、一つの王宮なので離れているわけではない。

買い出しの費用も全て王家に言われて兄が払ってくれた。

後で精算して掛かった費用はすべて王家が出してくれるらしい。

実は、その日はお泊りもしていいということでイリスと二人で東の棟の客間に泊まることになっているのだ。

おまけに夕食には王家の家族勢ぞろいとなるらしい。

兄のフェイレアも呼ばれているので、イリスと二人で七人分の夕食を作らなければいけない。

献立はイリスと何度も手紙や学園内でコンタクトを取って決めていった。

その際ジュオン王子が二人の伝達役になってくれたのでほんとに助かった。

チキンの甘辛焼きに、ローストビーフ、これは二つとも和風の味付けになる。

前にイリスがルルの家で食べてお気に入りの二品なのだ。

それは絶対に外せないとイリスが主張してその二品が一番に決まった。

そして今日市場でぷりぷりの大きなエビを見つけたエビフライにするしかない。

そう決めて急遽エビフライを追加した。

イリスはエビを見ても平気な顔をしていた。

王女殿下なのだ、エビになんて触れたことがないだろうと思っていたのに…