コンネリシャス王国の  恋物語

そして最後に気持ちを集中させて、唱えた

「恵みの水よ。花壇の花に
優しい雨を降らせよ」

そう言うと花壇に向けて手を差し出した。

するとジョウロで水やりするような細かい水が花壇全体に降り注いだ。

やったあ!初めて成功した。

自分の強運に感謝だ。

リュウセイ先輩とジュオン王子に目を向けると二人ともびっくりして目を大きく見開いていた。

そりゃそうだろう、一度も成功しなかったのだから、ジュオン王子は満面の笑みでルルに拍手してくれた。それにつられてみんなも拍手してくれたのには驚いた。

教授たちも驚いていたが、急にええーっという声が上がった、急いで花壇を見てみると花壇の花が全部満開になっていたのだ。

まだ蕾の花もあったはずなのに、花芽もつけていないものもあったがどんどん伸びて綺麗な花を咲かせたのだ。

それには教授たちも生徒も驚いた。一番驚いていたのは、ルルなのだが…

教授の話によればルルのもつ白魔法の癒しの力が水にも作用しているのかもしれないという事だった。

癒しの力が花を成長させたのだろうか?よくわからない。

教授達はルルのだした水を調べてみたいと言って、バケツをそのまま持ち帰ることにしたらしい。

そしてルルの合宿参加は認められた。

努力の甲斐があったというものだ。

次々に実地試験が行われていった。

一年生のうち二人は進歩なく二年度のクラスには参加できなくなったが、そのほかの生徒や二、三年生は余裕でパスしていた。

リュウセイ先輩もジュオン王子もとてもきれいな火魔法を展開していて皆見惚れてしまった。

ルルはこの一週間それこそ睡眠時間を削って試験勉強をした。 

水魔法の練習も裏庭でこっそりやっていたので心底お疲れ様だったのだ。

その日は家に帰ると速攻でベッドにダイブして夕食も食べずに朝まで制服のまま寝てしまって、次の日くしゃくしゃの制服を見て大後悔をすることになった。