コンネリシャス王国の  恋物語

そして今週は試験ウイーク。

金曜日までペーパー試験で土曜日に魔法学の実地試験がある。

ペーパー試験のほうは何とかなったと思う。

頑張った甲斐があったし山を張ったところも当たってラッキーだった。

残るは実地試験のみ。

校庭に魔法学のクラス全員が集まった。

まずは一年生からだ。

全く進歩がなかった場合は二年生になって魔法学のクラスを取ることはできないのだ。

ルルは進歩があったので二年になっても魔法学のクラスには居られるけれど合宿に参加するには、ハードルは高い。

今年がジュオン王子と一緒に参加できる最初で最後のチャンスなのだ。

何としてでも参加できるような魔法を使って見せる。

誰にも言っていないがルルはジュオン王子が好きなのだ。

必死で押し隠しているが、ジュオン王子の美しい姿は見るたびにドキドキしてしまう。

目が合うとふっと微笑んでくれる。そんなときには気を失いそうになる。

絶対気絶はしないけど、前に生徒会室で学園のほとんどの女子がジュオン王子の妃の座を狙っていると言った時に、ルルは?と聞かれて絶句した。

幼馴染ゆえにそれ以上には踏み込めないもどかしさがあるし身分違いもよく承知している。

誰にも言えない初恋なのである。

そんなことを考えているとルルの順番が回ってきた。

水魔法がどれだけ進歩したかと聞かれて取り敢えず近くにあったバケツに水をいっぱい溜めたり掌の上に丸い水の球を浮かせたりそれをうさぎに変えたりして見せた。