コンネリシャス王国の  恋物語

その夏休みの前に大きな試練がある。

九月からは進学するので一年の締めくくりの学期末試験がある。

ペーパー試験と魔法学では実地試験もあるのだ。

また、休暇中には王家の森に行く合宿もある。それに参加するには、座学だけではなく実地試験でもある程度のラインを越えなければいけない。

ルルは合宿に参加希望なので水魔法の自主練習に余念がない。

リュウセイ先輩は水魔法も少し使えるのでジュオン王子と三人で居残り特訓をやってくれる。

ありがたい。

最初は何もできなかったが、今では桶に一杯水を貯めることができるようになった。

今の目標は自分が思った所に雨のように水を降らせることができるようになることだ。

それができれば水魔法のほうは合格になるはずだということなのだ。

白魔法はなかなか実践がむつかしい。

でも浄化の力は少し付いてきた小さな部屋位なら浄化と言えば空気をクリーンにすることができる。

教室の広さまではまだできない。

それに実地試験は屋外だ。そんな広い空間では浄化は発動できないだろう。

誰かがケガをしていたなら治せるのだが…

そんなことでルルは今魔法の実地試験の訓練と、各教科のペーパー試験の勉強に余念がない。こんな時三教科とっている選択科目が恨めしい。

一教科しかとっていない親友のチリルの余裕が羨ましい。

毎日目の下にクマを作って学園に来るルルをチリルは可哀そうな子を見る表情で見ている。

そして何くれとなく世話を焼いてくれるのだ。

持つべきものは友人だとつくづく思うルルだ。

ジュオン王子もリュウセイ先輩の水魔法の訓練に立ち会ってくれて、応援してくれる。

ずぶ濡れになるとジュオン王子が風魔法で乾かせてくれるのだ。

それを見てリュウセイ先輩は過保護なジュオンと言って笑っている。