コンネリシャス王国の  恋物語

アルク第二王子はすぐに、にこにこになってチーズケーキをほおばっている。

ルルはチーズケーキをワンホールとシュークリームをもっと作ってくるのだったと、反省した。

親友のイリスは

「ルルは何も悪くないからね。
お母様やアルクが突然乱入してきたのが
いけないんだから、ほんとはいつものように
私の部屋で女子会するつもりだったのに…
お母様がお茶の時間に兄様が執務の調整を
つけているのを知って、私に聞いてきたのよ
言わなきゃよかった。
そしたら美味しいパイクリームももっと
食べられたのに悔しい」

もう、ルルは笑いが止まらなかった。

王家の家族でもこんなスイーツ争奪戦が普通に勃発するなんて思っていなかった。

ルルの家族と何も変わらない。

ルルはほんとにこの国の王家は素晴らしいとつくづく思うのだった。
アルク第二王子は満足してお眠になったようで侍女に自分の部屋に連れていかれたので、イリスとルルもイリスの部屋に移動した。

侍女に新しくお茶を入れてもらって、そこで死守していたチーズケーキを至福の顔で味わっている。

「ルルってすごいよね。こんなにスイーツ
作りが上手だなんて尊敬しちゃう。
いつも言うけどほんとだよ。
スイーツだけじゃなくて普通にお料理も
上手だし今度はルルの家に行っていい?
久しぶりにルルの料理が食べたいな」

「もちろんいいよ。いつでも来てね。
でもさ、イリス王女の外出ともなると
大変でしょう?護衛に侍女に最低何人?」

「護衛が二人に侍女一人が最低かな。
嫌になっちゃうわ。
そんなに引き連れて友達の家に遊びに
行くこともできないわよね。
前は抜け出してよく行ったのにね。
初等科の最終学年になって監視が
半端じゃなく厳しくなったのよね。
色々な講義も始まって息つく暇もないわ」

「じゃあ私が来てお料理作るよ。
イリスも手伝ってよ。二人で作ろうよ。
厨房を貸してもらうのが大変かもね。
一番厨房が暇な時間に貸して
もらえないかなあ」

「じゃあさ、大ばあちゃまの住まわれていた
東の棟の一階はどう?
あそこならこじんまりしていてキッチンも
小さなのがあるし、今はだれもいないから
許可をもらえば使えるわ」

イリスの大ばあちゃまと言うのは、先々代の王妃様つまりイリスの曾祖母にあたる。

彼女は二年前に八十八歳で眠るように亡くなったと言う事だ。