コンネリシャス王国の  恋物語

そこにもう一人のスイーツ男子が登場した。ジュオン王子だ

「ルル待っていたよ。チーズケーキ楽しみに
していたんだ。ルルのチーズケーキは
王国一だからな」

「過分な誉め言葉ありがとうございます殿下
今日はチーズを少し変えてみたのです。
感想聞かせてくださいね」

お茶の用意もできて、ケーキや焼き菓子、そして今日の新作のプロシットパイクリームを並べるとみんなの目は点になる。
まずはイリスが始めに新作に挑戦した。

「う~ん、なにこれ!こんなおいしいの
食べたことない!もう美味しすぎて死ぬ!」

すっかり王女様仕様が無くなってしまったイリスはソファーにもたれて天を仰いでいる。

大げさなしぐさに王妃様も呆れていたが、一口食べると大きく目を見開いて

「ほんと、イリスの気持ちわかる。
凄く美味しいし初めての食感ね。
これは陛下にも食べさせてあげたいわ。
ルル、陛下の分もあるかしら?」

「ええーっ、僕もう一つ欲しい。
お父様は知らないんだから焼き菓子で
いいんじゃない。あ~っ兄様それ僕の」

「お前なあ、両手に持っているくせに
まだ欲しいのか? 皆一つずつだぞ。
父上にも一つ残してあげないと…
いつも頑張ってくださっているんだから」

そう言いながら、ジュオン王子は次にチーズケーキにトライする。

一口食べると

「ルル、今日のチーズケーキは最高。
コクがあって今までのもうまかったが
これは次元が違うな。
チーズを変えただけでこんなに
ちがうのか?」

「そうなんです。マスカルポーネチーズと
言って隣国のバンアロア王国の
特産なのです。たまたま、昨日入荷したと
連絡があったので使ってみたのです。
五切れあるので皆さんで食べてください」

「だめだ。これは僕がルルに先日
オーダしたチーズケーキなんだから、
僕一人でいただく。
さすがに父上には一つ献上しよう。
仕方がないからイリスとアルクで半分
ずつ食べるがいい」

そういってあっという間に二切れのチーズケーキと焼き菓子を何個かお皿に盛ると颯爽と言ってしまった。