ここ　コンネリシェス王国は、海に面した温暖な気候の広大な土地を持つ美しい国だ。

海の反対側には険しい山々が国土の三方を囲むように聳え立ち、建国以来六百年以上もの間他国に侵略されたことがない。

山々は治水能力も十分で山から流れる川の水は国民の生活用水となり、山の麓になだらかに広がる平野での農業の水源でもある。

また、山には鉱山もあり良質な鉄鉱石が取れる。

製鉄業も盛んで鉄はコンネリシェス王国の重要な輸出品となっている。

平和で豊かな国であり、国民に課される税金も安く暮らしやすい国だ。

しかし酒やたばこなどの嗜好品や革製品や宝石類豪華な馬車などの贅沢品に掛けられる関税や購入時にかかる税金は非常に高い。

要するにお金持ちには厳しいと言うことだ。

コンネリシェス王国の産業は観光、ワイン製造、農業が中心で、大きな港があり商船やクルーズ船も沢山出入りする為、貿易も盛んだ。

またそういう所からの税収もあり、国民から税金を多くとらなくても十分に潤っているのだ。

現国王はアスラン・レオ・ペレル御年四十八歳という男盛りの賢王である。

ペレル家は沢山の土地を先祖代々所有している。

広大なブドウ畑もありワインの製造でも有名でペレルワインは白でも赤でも高品質でランクが最高位のワインを産出している。

王家は独自の採算で成り立っているので、国民の税金を使う必要もない。

この国で一番の資産家であるペレス王家が運営する様々な事業での雇用も国全体の五分の一にもなるほどだ。

つまり五人に一人は何らかの形でペレス王家の従業員ということになる。

それほどに広大で強力な国王の権力なのだが、人格者でもある国王は国民に親しまれ愛されている。

王家は独立採算で十分潤っているのだ。

国民の税金は純粋に国の国庫に入り国を運営していくことに使われている。

自然災害など何かあった場合の予備費や備蓄にも十分な備えがなされている。