コンネリシャス王国の  恋物語

今日は小ぶりな第二応接室を使うらしい。

侍女に案内されて応接室に入ると、イリス王女だけでなくアレク第二王子に王妃様まで待っていてくれた。

「まあ、ルル久しぶりね」

と王妃様。兄と違ってほんとに久しぶりだ。

三人の母親とは思えないほど若くて美しい王妃様は、優しくニコニコと笑ってルルをそっとハグしてくれた。

「ベッテイーネ家の皆さんはお元気?
テイアムにもしばらく会ってないのよ。
このところ忙しくて、肩の凝るお茶会や
パーテイでうんざりしているの。
そしたら今日ルルが来るってイリスに
聞いたものだから、お邪魔しちゃった」

フフッと笑った。ほんとにかわいい王妃様なのだ。

王妃様がいるので応接室なのねと合点がいったルルだ。

いつもはイリスの部屋でスイーツを食べた後は二人でイリスの広いベッドで寝っころがってごろごろして話に花が咲くのだ。

「ありがとうございます。嬉しいです。
母も王妃様に会いたいって言って
おりました。今日も羨ましそうに
見送ってくれたのですよ」

「ねえ、早くルルのスイーツ
食べたいよ~」

八歳のアルク第二王子はもう待てないようだ。

「嫌ね、アルク ルルはお菓子屋さん
じゃないのよ。
私に会いに来てくれたんだからね。
ルルのスイーツはアレクには
あげないよ~だ」

悪い笑いのイリスに、姉様の意地悪と言ってアルクがべそをかく。

「アルク殿下、大丈夫ですよ。
たくさん作ってきましたから、それに
今日は新作もあるんですよ。
試食してくださいね。
家族には好評だったのでちょっと
自信作です」

そう言うと、みんな顔を輝かせて侍女にお茶の用意を頼んで身を乗り出してくる。

ほんとにスイーツ大好き家族だなあと嬉しくなってしまうルルだ。