彼の墓碑の裏側には小さな字で
“一人の女性を一生愛し守り続けた
崇高の騎士ここに眠る”
と書かれていた。
その墓碑を用意したのはフェイレアだった。
フェイレアだけはセレスの想いに気付いていたのだ。
しかしそれを誰にも言わず,親友の想いを守り続けたのだった。
セレスが永眠して一年後、ルルはフェイレアに誘われてセレスの墓に赴いた。
そしてフェイレアに墓碑の裏に彫られた文を読むように言われた。
「えっ、これって…」
と言ってルルは絶句した。
「セレスはずっとルルを想い続けて、
その思いを胸に秘めて誰にも言わず
ルルのそばに居続けたんだ。
ルルを命を懸けて一生守りぬく覚悟でね。
ギラン総長に小隊長や副団長に
推薦されても、断り続けてルルの
護衛騎士として全うしたいと言って
いつも辞退していた。そして,
五十歳で護衛騎士としての退役が決まると
王宮に残って後輩の指南役に志願したんだ
ルルの側にいたくて王宮に残るために
騎士団の宿舎の一室にずっと住み続けて
ルルを見守っていたんだ。
そんなセレスの想いを俺は感じていたけど、
聞くことはできなかった。
きっとセレスは俺に知られたと思ったら、
ルルの護衛騎士は続けられなかっただろう。
ジュオン国王はそれを許すほど甘くはない。
ルルに関しては驚くほど心が狭くなる人
だからな。
でも、ルルにだけはセレスの想いを
知っていて欲しかったんだ。
ごめんな、びっくりしただろう」
ルルは涙で滲む目でセレスの墓の前に跪いて、花を手向けた。
「セレス、ありがとう。
そして何も知らなくてごめんなさい。
あなたの人生はそれで幸せだったの?」
と震える声で問いかけた。
“一人の女性を一生愛し守り続けた
崇高の騎士ここに眠る”
と書かれていた。
その墓碑を用意したのはフェイレアだった。
フェイレアだけはセレスの想いに気付いていたのだ。
しかしそれを誰にも言わず,親友の想いを守り続けたのだった。
セレスが永眠して一年後、ルルはフェイレアに誘われてセレスの墓に赴いた。
そしてフェイレアに墓碑の裏に彫られた文を読むように言われた。
「えっ、これって…」
と言ってルルは絶句した。
「セレスはずっとルルを想い続けて、
その思いを胸に秘めて誰にも言わず
ルルのそばに居続けたんだ。
ルルを命を懸けて一生守りぬく覚悟でね。
ギラン総長に小隊長や副団長に
推薦されても、断り続けてルルの
護衛騎士として全うしたいと言って
いつも辞退していた。そして,
五十歳で護衛騎士としての退役が決まると
王宮に残って後輩の指南役に志願したんだ
ルルの側にいたくて王宮に残るために
騎士団の宿舎の一室にずっと住み続けて
ルルを見守っていたんだ。
そんなセレスの想いを俺は感じていたけど、
聞くことはできなかった。
きっとセレスは俺に知られたと思ったら、
ルルの護衛騎士は続けられなかっただろう。
ジュオン国王はそれを許すほど甘くはない。
ルルに関しては驚くほど心が狭くなる人
だからな。
でも、ルルにだけはセレスの想いを
知っていて欲しかったんだ。
ごめんな、びっくりしただろう」
ルルは涙で滲む目でセレスの墓の前に跪いて、花を手向けた。
「セレス、ありがとう。
そして何も知らなくてごめんなさい。
あなたの人生はそれで幸せだったの?」
と震える声で問いかけた。



