コンネリシャス王国の  恋物語

ジュオン国王とルル王妃は常に国民の憧れで夫婦としての在りようの目標だった。

フェイレアは四十歳手前でやっとルルと同じくらいに大事に想える女性に巡り合って家庭を持った。

セレスは生涯ルルの護衛として近衛騎士を退役するまでルルの後ろに控えていた。

そして三人の王子に剣の手ほどきをしたのもセレスだった。

特に第一王子のジュシードはセレスを師と仰ぎセレスが永眠するまで慕ったのだった。

セレスは近衛騎士の副団長や団長としての出世を断り続けて、ルル王妃の一護衛としてあり続けた。

退役後は王宮の騎士団の指南役として騎士団に残り王宮に住み続けて、ルルを見守った。

彼の視線の先にはルルしかいなかったのだ。

護衛騎士を退いた五年後に死病を患い還らぬ人となった。

ルルは毎日セレスの病室に足を運び治癒の魔法をかけてセレスが少しでも楽になるように気遣った。

そして人生の最後に最愛の人ルル王妃に手を握られて、顔には満足の微笑みを浮かべて、最後にルルの顔を瞼に焼き付けてひっそりとその生涯を閉じた。